先日も紹介させて頂いた、MOJITO×ARCH “Geroge’s Coat”
今月号の雑誌BEGINにて、MOJITO山下氏がその別注の経緯や背景について語って頂いております。
今回は、改めてこのGeorge’s Coatについて徹底解剖していこうと思います。
先ずは、MOJITO山下氏の別注品に対する思いをBEGINから抜粋しました。
『これを作ろうと思った発端は、アーチのオーナー山内さんから「札幌の冬に耐えうるヘビーなメルトンアウターを」とのお題を受けたからです。
その期待に応えるべく、通称キロメルトンと呼ばれる、生地巾×1mあたりの重さが約1000gの超肉厚な生地を使いました。
ウールの名門である英・ムーン社のヘリテージコレクションから見つけた純粋にもの凄い生地なのですが、問題は売値が通常のショージズコートの3倍近くになってしまうことでした。
生地値はもちろんですが、縫製が非常にヘビーな作業となるからです(実際、作業中にミシンが一台壊れてしまったそうです)。
そもそもショージズコートのデザインの元ネタは、アーチが古着として仕入れていたヴィンテージのコートなんです。
それを入手されたアーチの顧客の方が僕にプレゼントしてくださり生まれました。
アーチは芯の通ったショップで、寒い場所にあるのにダウンアウターを扱いません。
だからその姿勢にたがわぬアウターにすべく、売値には目をつぶり、究極の一着を追求することにしました。
裏地は伊のオルメテックスという綿ギャバ生地です。
これも通常はアウターになる生地で、袖の返しの部分や、エルボーパッチなど擦れる部分の耐久性を高めています。
今まで作ってきた服のなかではダントツの一番、間違いなく10年は余裕の一生モノです。
もっとも、作れるのも今回限りかもしれませんけど(笑)。』
MOJITO 山下氏 BEGIN より抜粋
山下氏の話にもあるように、今回使用した生地は、”キロメルトン”と呼ばれる超極厚な生地です。
重厚でありながらも、どこか気品さも感じる素材感は、英・MOON社の素材ならでは。
今回使用した”HERITAGE COLLECTION”の生地は、殆ど日本には流通していない特別な生地です。
MOJITO山下氏が、手を尽くして生地の調達から、古いタグまで用意して頂きました。
それも全ては、究極の一着を作る為です。
完成した一着は、僕らの想像を遥か上をいったモノに仕上がりました。
元々、Geroge’s Coatの仕様は、全てワントーンの生地になっています。
ですが、今回使用した”キロメルトン”の生地が厚すぎて、縫製上重なる部分が縫う事が不可能。
ポケット部分がまさにそうです。
そこで山下氏が、メルトンではなく裏地に使うオルテメックスを採用することに。
それに合わせて、袖部分にも同生地を、そしてエルボーパッチを施す仕様に仕上げました。
10年以上使う事を考えた機能的な仕様なのは勿論のこと、
イギリスのドンキーコートを彷彿とさせる仕上がりになり、よりブリティッシュな空気を纏っています。
イタリアのオルテメックスの生地は本来コートに使うギャバジン生地。
それを裏地に使うというだけで贅沢に感じます。
耐久性に優れた仕様であり、キロメルトンにも負けない組み合わせになりました。
現代の進化した素材を使えば、軽くて防寒できるアウターはいくらでも作る事が出来ます。
ですが、今回目指したのは天然素材で北海道の冬にも耐えれるアウター作り。
ヴィンテージと呼ばれる、まだハイテクな素材が生まれていなかった時代に存在したメルトンのアウター。
そんな不恰好でいて無骨なアウターこそ、男が着るべき洋服なんだと思います。
10年選手…いや一生モノと呼ばれるアウターが完成しました。
このアウターがあれば、どんな過酷な環境も乗り越えられるでしょう。
COLOR NAVY
SIZE S / M / L / XL
PRICE ¥148,000+TAX
ARCH 宅見