2019.09.30 Monday 21:24:24| Author:admin| Categories:MOJITO
“MOJITO”
かの文豪『アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ』のライフスタイルや作品などをデザインソースに、デザイナー山下氏によって読み解かれ、生み出される洋服はArchに欠かせないブランドの一つです。
これまでに生み出されてきた”MOJITO×Arch”共同製作別注の数々は常に僕たち自身も驚かされ、名品と呼ぶに値するアイテムばかりです。
アメリカの文豪ヘミングウェイの生き様や作品などにインスパイアをうけるMOJITO。
ヨーロッパの古い洋服や文化を大切にしているArch。
二者の大事にしている部分が絶妙にバランスよく落とし込まれた今回のアイテムはまさにExclusiveと謳うにふさわしいと感じます。

本日はMOJITOデザイナー山下氏と対談をした別注の誕生秘話などをお話ししたいと思います。
上田 /
山下さん、本日はよろしくお願い致します。
まず、今回の別注で製作して頂いた2型のアイテムの生地ですが、英国・MOON社の生地ですよね。
MOON社と聞いただけでもグッとくるポイントですが、山下さんがお持ちになっている生地スワッチは日本ではお目にかかれないものだと思いますが、、、
どういった経緯で入手されたんですか?

山下氏 /
この生地スワッチは(19AWの別注製作を話し合う際の)初回のミーティング時に山内さんより、
「2019AWのArch ExclusiveモデルはMOON社のHERITAGE COLLECTIONの中から素材を選定したい。」
と依頼を受け、今回の企画がスタートし入手しました。
今まではアイテムのリクエストを受け、その次に僕が想い描くArch , MOJITOのイメージに沿った素材を収集し提案していたので今回は真逆の形ですね。
上田 /
生地スワッチ自体を手に入れるのにも一苦労しそうですが、、、
そのリクエストに応えられるのも山下さんが長年築いてきた洋服に対する実直な姿勢があってこそですね。
今回の別注アイテムはコートとパンツですがまずはコートからお聞きしたいと思います。
最初に目を惹くのがこのネイビーのメルトン生地ですが、山内との話でこの素材を使用して製作することになったのはどういった経緯だったのでしょうか?
また、どういう風に料理しようと思いましたか?

山下氏 /
ネイビーの色というよりも”肉厚で重厚なメルトン”という素材感が先でしたね。
素材の選別で今回使用しているメルトン-HUNTING PINK-が残り、この素材の展開色である5色の中から満場一致でネイビーに決まりました。
素材決定とほぼ同時にベースになるアイテムも決まったので、今回使う素材の原産地である英国のアーカイブをベースに、MOJITOらしく料理しようと考えました。

上田 /
重厚感のあるメルトン生地は北海道の真冬でも耐えうる事が出来、徐々に変化していく様はお客様の中でも虜になっている方が多いようにも感じます。
今回のコートの型はMOJITOの代名詞の一つでもあるGEORGE’S COATですが、前回の別注で記憶にも新しいお客様もいらっしゃると思います。
今までエルボーパッチはついていなかったですが、今回エルボーパッチをつけることになったのには理由があるのでしょうか?
山下氏 /
これは先ほどお話しした英国らしいアーカイブを表現したディテールの一つなんです。
僕なりに時間をかけ、ねりにねった結果、通称ドンキーコートに辿り着き、そのオマージュとして同系色異素材でエルボーパッチのディテールを加えてみたんです。
ただの同色異素材では面白くないので、実はコートに用いられる生地の代表格でもあるOlmetexを使用しています。
上田 /
ツイードのジャケットをはじめエルボーパッチは英国のイメージがありますね。
しかもエルボーパッチにOlmetexを使用しているとは、、、
かなり贅沢な仕様ですね。笑
いつもですが今回もかなり細部にまで拘られていると思いますが、この肉厚なメルトン生地、縫製が大変だったとお聞きしましたが、どの部分が苦労しましたか?
山下氏 /
そうなんですよ。後にも先にも難易度は過去最高でした。
とは言え、僕が縫うわけではないので、苦労かというとちょっと違いますが、超高密度で縫えない箇所が随所に盛り込まれたアイテムなので、GEORGE’S COATがもつディテールを継承しつつ、縫製仕様の変更を繰り返しました。
職人さん曰く、二度と縫いたくはない逸品だそうです(笑)
上田 /
生地を変えると縫製の仕様も変わってしまうものなんですね、、、。
当店でも取り扱っている、直立するぐらい堅さのあるジャケットを思い浮かべてしまいました。笑
二度と縫いたくないと思ってしまうぐらいの逸品、これからの時期に期待大ですね。
そしてもう一つの別注であるソーンプルーフを用いたGULF STREAM PANTSですが、まさにハンティングを愛したヘミングウェイにぴったっとイメージが当てはまる1着です。
山下さんならArchのフィルターを通してどういう風に着こなしますか?

山下氏 /
ソーンプルーフという素材は、荒野を歩く際に服地で植物のトゲなどから身を守ることを目的とし開発された素材なので、水陸両用のヘミングウェイでいうところの”陸”にあたる素材です。
アーチのフィルターを通して・・。と訊かれると、素材の特徴に固執しすぎて全身ハンティング感満載の着こなしは、アーチが目指す方向ではないだろうし、MOJITOでも避けて通りたい・・・。
いま、パッと3通りの着こなしが下りてきました(笑)
ひとつ目は、US NAVY POPLIN SHIRTを合わせる着こなしです。
残りふたつは会期中に店頭にてお伝え致しますね(笑)
上田 /
POPLIN SHIRTですか、ネクタイやジャケットを羽織って小綺麗に見せたくなりますが、、
残りの二つも気になります!
今ここで聞きたいところですが、グッと我慢して当日までのお楽しみに取っておきます。笑
それまでに自分なりに解釈して着こなしをしてみたいと思います!
最後の質問になります。
イギリスのハンティング生地+MOJITO=Arch この計算式は山下さんにとってどういった解釈とイメージがありますか?
山下氏 /
「イギリスのハンティング生地+MOJITO=Arch」の字面だけみると『ごく普通』なイメージです。
その理由として、ARCHという器には沢山のイギリスものが盛り付けられてきました。
この先もARCHの店頭からイギリスものが、無くなることはきっとないでしょう。
そしてMOJITOの冠であるヘミングウェイは、僕にとってハンターの代名詞のような存在であり
ヘミングウェイがツイードのスポーツコートを着用していた写真が数多く残されています。
ここで重要なポイントは、すごく普通に感じる計算式を踏まえたうえで、見たことや着たことがない、普通ではない服を創造することが、ARCH+MOJITOの使命だと思いますし、僕らが自信を持ってお披露目することができるアイテムだということです。
上田 /
ヘミングウェイがライフスタイルの一環としてごく自然にハンティングやフィッシングを嗜んでいたものをベースに作り上げられるMOJITOの洋服はギアとしても使用でき、これから育っていくのがとても楽しみでもあります。
もしヘミングウェイが今いたとしたら今回の別注アイテムを愛用し、道具として、ファッションとしてどうやって着ていたのかな、と想像が膨らむばかりです。
山下さん本日はありがとうございました。
山下氏 /
こちらこそありがとうございました。
イベント期間中は字面では表現できないアイテムと一緒に
皆さまのご来店をお待ちしております。
SALUTE LIFE!
今回の対談で改めて山下さんの洋服に対する、ヘミングウェイに対する愛を感じました。
まだまだこのブログではお伝えできないことがございますので、ぜひその目で触れ、空気感を感じてください。
別注のアイテムは後日ブログにてご紹介いたしますので是非お楽しみにしていてください。

【 MOJITO×ARCH SPECIAL EVENT 】
2019 10/4(FRI) , 10/5(SAT) , 10/6(SUN)
IN ARCH SAPPORO
ワクワク高揚させる事が出来るイベントになると思います!
期間中は、MOJITOのディレクションを務めます山下氏も来札されます。
着こなしや、洋服について直接お話を聞ける貴重な期間となっております。
是非、この機会にご来店くださいませ。
ARCH 上田

2019.09.29 Sunday 20:24:00| Author:admin| Categories:Exclusive,THE INTERPRETATION BY ARCH
先日から紹介しています、ARCH”MADE IN ENGLAND”。
第三弾となるアイテムが、本日届きました。

以前製作した”BRITISH ARMY RAILROAD JACKET”を、イギリスメイドで再構築しました。
ROYAL NAVYに支給されていたENGINEER JACKETをベースにしながらも、襟元のディテールにはDRIVERS JACKETの要素をプラスしています。
BRITISH WORKの代表格とも呼べるスタンドカラーのワークジャケットを、全ての工程をイギリス生産に拘り完成した一着です。

今回、このジャケットを製作した上で一番見て欲しい部分が、このチェンジボタンです。
こちらは、全てヴィンテージのデッドストックのものを使用しています。
数年前に、イギリスにてオーナー山内が見つけて以来、どのタイミングで使用するかを考えていたそうです。
イギリスという背景を使い製作するならば、ボタンもイギリス製でなければいけない。
限られた資源を、このジャケットだけの為に使用するという事は、非常に贅沢な事だと思います。

生地には、前回のFISHERMAN SMOCK同様に、英・BRISBANE MOSSの肉厚なツイル生地を使用しています。
一度洗いをかけているので、既に何年も着込まれたかのような雰囲気に仕上がっています。

COLOR NAVY
SIZE S / M / L / XL
PRICE ¥78,000+TAX


織りがはっきりと分かるツイル生地とヴィンテージのチェンジボタンが相まって、ブリティッシュワークらしさがより際立っています。


スタンドカラー、3つポケットのディテールが特徴的なこのワークジャケット。
イギリスらしいディテールは、実はもう一つ残されています。
ポケットの補強の為に、八の字で裏から別生地で補強が施されています。
このディテールは、ROYAL NAVYのワークジャケット含めて、良く目にするディテールです。
パイピング処理もしているので、強度の面でも文句なしでしょう。


こういった細部のディテールにも拘っているのは、10年後、20年後も愛用できるモノになって欲しいからです。

KNIT CE FORCYE
BOTTOMS MOJITO×ARCH EXCLUSIVE MODEL
“GULF STERAM PANTS”
直球のNAVYに続き、NATURALカラーも製作しました。

COLOR NATURAL
SIZE S / M / L/ XL
PRICE ¥78,000+TAX

こちらも、BRISBANE MOSSのツイル生地を使用しています。
真っ白ではなく、生成りがかった生地は嫌味なく、意外と普段のコーディネートに取り入れやすいです。

ナチュラルのツイル生地に、ベージュのチェンジボタンの組み合わせがまた憎いです。

SHIRT sus-sous
BOTTOMS MOJITO×ARCH EXCLUSIVE MODEL
“GULF STERAM PANTS”
この色味は敬遠しがちかと思いますが、ワークジャケットの形+無骨なツイル生地の組み合わせだからこそ、丁度良いバランスに仕上がっていると思います。
通年使い回しが効くコットン100%のワークジャケットって、探すと意外とないんですよ。
かゆいとこに手の届かない感覚を満たしてくれるジャケットこそ、この”BRITISH RAILROAD JACKET”だと思っています。
是非、店頭にてご覧になってください。
ARCH 宅見

2019.09.27 Friday 21:54:20| Author:admin| Categories:MOJITO

アーネストミラー・ヘミングウェイと言えば、ハンティングや釣りをしている姿が非常に興味深く映ります。
ノーベル賞作家である彼の趣味は、大変多かったようです。
中でも、冒頭の写真のライオンを仕留めた一枚は有名ではないでしょうか。
この写真の印象が非常に強く、ヘミングウェイ=ハンティングのイメージがあります。
アーネストミラー・ヘミングウェイをオマージュするMOJITO。
今回新型で誕生した”BIG GAME TOUR JACKET”は、彼のライフスタイルが色濃く反映されたモノに仕上がっています。

1940年代頃、アメリカで流通していたハンティングジャケットを、MOJITO流にモディファイドした一着。
半年前の展示会時に、一目惚れしてオーダーしたこのジャケットは、無骨さと絶妙なシルエットが魅力的です。




素材には、英・BRITISH MILLERAIN社のものを使用しています。
ワックスコットンで知られるイギリスの老舗メーカーですが、今回使用されているのは”フェイクワックス”の生地。
生地感と見た目は、ワックスコーティングされた生地と変わらないですが、実際に触ってみるとベタベタしない生地になっています。
特殊なコーティングが施された生地は、ワックス生地同様に撥水性と防風性も兼ね備えています。

COLOR OLIVE
SIZE S / M / L / XL
PRICE ¥59,000+TAX


襟と袖裏にコーデュロイが施されたディテールは、ハンティングの匂いが漂います。
長過ぎず短すぎない、絶妙な着丈と程よくゆったりとした身幅のアンパランスさこそ、MOJITO流のサイズスペック。
ミリタリー物にも存在しそうなこのバランス(極端に言うとLARGE-SHORTみたいな)も、着てみるとバランスがとても良いです。

CAP HANNA HATS
STOLE OLDMAN’S TAILOR
TROUSERS ANATOMICA
直球のオリーブカラーは、トラウザーズにも相性抜群です。
色味とディテールだけを見ると非常に無骨なアイテムですが、絶妙なバランスのサイズ感が、野暮ったさを感じさせません。
カラーは、オリーブとブラックの2色展開になります。

COLOR BLACK
SIZE S/ M / L / XL
PRICE ¥59,000+TAX


アメリカらしいハンティングジャケットも、ブラックになる事で上品な印象を与えてくれます。
イギリスのオイルドジャケットにも似た空気感を持つこのジャケットは、無骨さの中に他にはない遊び心を感じます。
それはやはりシルエットでしょうか。
アームホールの太さと身幅のゆとり、これで着丈が長いと野暮ったいですが、絶妙な着丈のバランスが不思議と塩梅の良いシルエットを生み出しています。



ボタンを上まで閉めて着用しても良いですし、パーカーなどを挟んでラフに着ても良いと思います。
この時期のライトアウターとして間違いなく重宝するでしょう。
今季、僕らが自信を持ってオススメ出来る一着です。
そして…..
いよいよこの季節がやってきました。

【 MOJITO×ARCH SPECIAL EVENT 】
2019 10/4(FRI) , 10/5(SAT) , 10/6(SUN)
IN ARCH SAPPORO
毎年恒例となっているMOJITOによるスペシャルイベント。
今回は、イギリスの伝統的なファブリックにフォーカスして、スペシャルアイテムを製作しました。
僕らスタッフが一番興奮していると思います苦笑
是非、楽しみにしていてください。
ARCH 宅見

2019.09.25 Wednesday 19:33:09| Author:admin| Categories:Style
先日紹介しました”FISHERMAN COAT”に続き、第二弾となるアイテムも到着しました。


イギリスの船乗り達が愛用していた”FISHERMAN SMOCK”。
所謂、フランスでいうバスクシャツと同じ役割を担っていたウェアーです。
漁師の制服と言っても過言ではないこのSMOCKは、イギリスの伝統的なワークウェアーの一つでしょう。
ボートネック、高めの襟のディテール、被りでゆったりとしたシルエットが特徴的で、この手のウェアーは漁師だけではなく、ガーデニング用としても愛用されていた背景があり様々な用途で使われていました。
2枚目の写真は、20世紀の陶芸に革新をもたらしたと言われている、陶芸家・”HANS COPER”です。
彼もまた自分の作品を作る際にこの”FISHERMAN SMOCK”を愛用していました。
彼らが愛用していたイギリスの伝統的なワークウェアーにフォーカスし、ARCH”Made in England”の第二弾となるアイテムを製作しました。

高めに設計された襟のディテールと、ポケットの仕様が特徴的な一着です。
素材には、英国が誇る老舗生地メーカー”BRISBENE MOSS”のものを採用しました。
英国で、主にコーデュロイやモールスキンなど、イギリスの伝統的な素材を19世紀から作り続けているメーカーです。
肉厚な織りがはっきりとわかる”ツイル生地”は、イギリスのワークウェアーらしい素材です。



漁師、陶芸家、ガーデニングなど作業着としての機能が詰め込まれたユーティリティな一着。
シンプルな作りの中に、必要不可欠なディテールが施されたウェアーは、機能美を感じます。
裾下に配置されたポケットは、3つに分かれており様々な道具が入るようになっています。


シルエットも殆ど、ヴィンテージの物の造形と変えていません。
ゆったりとしたシルエット、程よいアームの太さ、無骨な雰囲気を残しています。


様々な職種の人達が愛用していた事からも分かるように、着ると非常に楽に着れてしまえます。
一着で完結出来る事も魅力の一つですが、ジャケットを羽織ったり、コートの中に忍ばせても良いので、シャツ感覚でラフに着て欲しいです。


着用を繰り返す事で起こる経年変化。
襟がクタッとし、色が褪せてきた時に、本物のヴィンテージと遜色のない空気を纏っていて欲しい。
だからこそ、イギリスという場所に拘り生産を行っています。
縫製の技術などではなく、イギリスの空気を感じて欲しい。
それを一つの洋服を通して伝えたいと思っています。

COLOR NAVY
MATERIAL COTTON
MADE IN ENGLAND
SIZE S / M / L
PRICE ¥36,000+TAX
ARCH 宅見

2019.09.21 Saturday 23:02:17| Author:admin| Categories:Style
昨日アナウンスしていました、ARCH “MADE IN ENGLAND”の全貌を紹介します。

イギリスの船乗り達が、愛用していた”FISHERMAN COAT”
海水や風などから身を守る為のディテールが備わったそのワークコートは、ファッションとして作られていない完全な道具です。
命の危険と隣り合わせな船乗り達にとって、その道具こそが自分の身を守る唯一のモノだったのではないでしょうか。
男服のルーツを辿っていくと、道具としてのウェアーに行き着くことになります。
変わらないルーツにこそ魅了があり、これからも伝えていきたいスタイルだと思っています。
イギリスで生まれた”FISHERMAN COAT”を、生まれた土地の素材を使いその場所で再構築する。
イギリスの空気とルーツを、ARCHのフィルターを通して感じて欲しいと思っています。

イギリスでは当たり前の素材である”オイルドコットン”
ゴム引きやギャバジン生地然り、降水量が多いイギリスだからこそ生まれた伝統的な素材です。
イギリスの背景を色濃く反映させるべく、BARBOURの生地を製作していた事でも知られる”TEMPLEMOYLES MILLS”の肉厚な生地を採用しました。
ヴィンテージの様なヌメ感と十分な肉感のある生地は、ここ北海道では道具として欠かせない存在になりそうです。

COLOR BLACK
MATERIAL WAX COTTON
MADE IN ENGLAND
SIZE S / M / L
PRICE ¥98,000+TAX
立ち襟の仕様、ラグランスリーブ仕立て、シングルブレステッドのシンプルな作り。
まさに無駄を削ぎ落としたデザインであり、この潔さに機能美を感じます。


程よいボリューム感があるので、インナーにジャケット等を十分に着込む事が可能です。
シンプルなデザインの中にも、スタンドの襟のディテールが他にはない独特の存在感を放っています。





襟裏とポケットの裏地には、モールスキン生地を。
この素材もイギリスの老舗メーカーの物を施しています。
ネック部分とポケット裏に装着した理由は、着用する際の保温性、機能的な面を考えての作りです。


襟を開けて着ても良いですし、ボタンを全て閉じて立ち襟で着用してもサマになります。
モールスキンの裏地がちらっと見えるのが個人的には、非常に憎いディテールです。

勿論、オイルドコットンなので抜群の撥水性を誇っています。
雨や雪の日にリアルな道具として着用する。
それを繰り返す事で、オイルが少しづづ抜け色も徐々に抜けてくる…
そしてまたリプルーフ(オイルを入れる)して着用する。
そのサイクルこそが、本当の意味での道具であると思っています。
経年変化とは、着る人のリアルな日常が洋服に表れる事なのではないでしょうか。



着込まれたツイードジャケットにオイルドコットンのコートを身に纏う。
これこそがイギリスの伝統的なスタイルであり、僕らが伝えたいコトなのです。
進化し続けるハイテクな素材も素晴らしいですが、
扱いずらく少し手を焼くような素材の方が不思議と愛着が湧いてきませんか?
手に残るオイルの感触は、一生忘れる事はないでしょう。
ARCH 宅見

2019.09.20 Friday 21:03:22| Author:admin| Categories:News!!

ARCHのスタイルの根源とも呼べるヨーロッパヴィンテージ。
オープン当初から提案している切っても切り離せない背景であり、これからも大切にしていきたいARCHのルーツです。
ヴィンテージと呼ばれる洋服は、時代が進むにつれてさらに価値あるものに変わっていきますが、限られた資源というのが現実だったりします。
当たり前に提案していたモノ、例えばフランス軍のM-47だったりも、いつの日か手に入らないものに変わっていくように感じています。
古き良き背景、その時代にしか存在しなかった洋服、ヨーロッパ各地の異なる文化やスタイル。
それらを、ARCHのフィルターを通して今後も伝えていきたいという想いから、
今回初となる、”MADE IN ENGLAND”
イギリス製で洋服を製作するプロジェクトをスタートしました。



イギリス製という部分にフォーカスした新たなレーベルは、昔から変わる事のない、変える必要のない完成されたワーク・ミリタリーウェアを元に再構築していきます。
普遍的でありクラシックなウェアを、当時と同じ空気の場所で作ることで、いつの日かヴィンテージと同じ匂いになって欲しいと願っています。
生地から縫製という全ての工程を、イギリスで完結させました。
第一弾となるモデルは”FISHERMAN COAT”
船乗りが愛用していたフィッシャーマンコートをベースにしました。
素材には、イギリスの伝統的な生地”オイルドクロス”を。
イギリスで、220年以上続く老舗生地メーカー”TEMPLEMOYLES MILLS”の生地を使用しています。
BARBOURの生地を製作していた事でも知られるメーカーです。
肉厚でいてオイルドクロス特有の無骨さが堪りません。
縫製工場に選んだのは、イギリスが誇るBARBOURやGLOVERALL などの製品を製作している工場に依頼しました。




ファッションでは、生まれていないヴィンテージと呼ばれる洋服達。
生活の上で無くてはならないウェアこそ、男の道具とされるのではないでしょうか。
上の写真のように身を守る為だけに生まれたウェアには、当時のギアが詰め込まれており、必要最低限のディテールが施されていたはずです。
その造形美を生かし、当時には存在しなかった素材で再構築する。
当時と同じ場所である”ENGLAND”という伝統的な場所で。
それが僕らが最も伝えたいことです。
詳細は明日のブログにて紹介します。
ARCH 宅見

2019.09.19 Thursday 15:06:25| Author:admin| Categories:OUTIL

冒頭の写真は、ドイツの写真家AUGUST SANDERが撮り納めた一枚。
ボディと袖の部分に異なる素材を組み合わせたワークジャケットを着用しているのがわかります。
今回僕上田が紹介しますOUTILのアイテムは、まさにこの写真のジャケットを彷彿とさせる一着です。

COLOR BLACK
SIZE 2 / 3 / 4
PRICE ¥42,000+TAX
僕上田はOUTILならではのインディゴとブラックインディゴで染色を施した一着VESTE MARLEをチョイス。
やはりブランドを語る上で外せない1つがこの染色なのではないかと思います。
バードシューターの形にコーデュロイとモールスキンを掛け合わせたジャケットは、これからの時期に活躍してくれる事間違いありません。
前面に使用されたコットン100%のコーデュロイは柔らかな質感と光沢が相まって品良く映ります。
この素材に施された染色インディゴ。

古来より使用されていた染色方法の一つ。
当時はファッションとはほど遠い存在の物でした。
アメリカを含め、ヨーロッパではワークウェアなどに使われることの多かった染色方法であり、汚れ隠しや虫よけなどを目的としていました。
家にある桶などで常温で小規模な染色にも適していたこともあり、当時は普及していたのではないでしょうか。
その染色方法をコーデュロイに使うということが僕の中で衝撃でもありました。
そして袖と背面に使用されるのはモールスキン。

こちらもFRENCH WORKなどで使用されているのでご存知の方も多いはず。
ですが…モールスキンもブラックインディゴで染色が施されています。
1800年代後半から1940年代までフランスのワークウェアーに使われていたとされる染料”BLACK INDIGO”。
現在、当時と同じ染料はフランスでは存在していなく、BLACK INDIGOの生地をフランスで生産する事は不可能とされています。
それを日本の職人に頼み、染色される黒に限りなく近い生地は極上の変化を見せてくれます。
この二つの染色が施された一着は着用と洗いを繰り返すことで徐々に色のコントラストがより浮き出てきます。
そして次にこの前合わせのディテール。




18世紀のイギリス、貴族礼服を彷彿とさせ、上品な印象に映える前合わせが絶妙なバランスで落とし込まれております。
ボタンはメタルボタンを使用。
使うたびに少しずつ露わになってくるメタルの質感はもちろんのこと、デザイナー宇多氏が込めたフランスのことわざのメッセージがサイドに彫られています。
細やかな部分にも配慮している作り込みは流石です。
僕の中ではフレンチの眼鏡にベレー帽、タートルにスラックスなどをこれからの時期に合わせたいと考えています。

BERET / THE INTERPRETATION BY ARCH
SCARF / BLUMER
INNER / SAINT JAMES
TROUSERS / ANATOMICA
SHOES / ALDEN


バスクシャツや、フランス軍M-47PANTSももちろん様になりそうです。
あまり馴染みのないジャケットだけに一見癖がありそうですが、一度袖を通してみてください。
掠れて行き、シワが入り、表情豊かになって行くことを想像しただけでたまりません。
届いた瞬間に即決で買ってしまったのは言うまでもないでしょうが…。
中間着的なアイテムですので3シーズン着ていただけるのも重宝するポイントではないでしょうか。
最近は肌寒い日が続きそろそろコートも着れる季節がやってきそうです。
このジャケットに羽織るならブラックの色味のコートかなと考えていた矢先、ちょうどよくスペシャルなアイテムが入荷してきました。
こちらは明日のブログでご紹介致しますのでぜひお楽しみにしていて下さい。

ARCH 15th Anniversary Special Model “MADE IN ENGLAND” 企画第一弾
ARCH 上田

2019.09.18 Wednesday 20:46:34| Author:admin| Categories:OUTIL
フランスの古き良き伝統や文化を洋服から感じる事の出来る
OUTILの洋服
フランス語で”道具”を意味するOUTIL。
”着る人の道具としの洋服”をコンセプトに掲げたブランドネームは、フランスのワークウェアに精通する部分があります。
何かの目的の為に生まれたデザインと素材。
そこにデザイナー宇多氏のエッセンスと日本の伝統的な技術が加えられた洋服。
袖を通せば、ブランスの空気を吸っているような…そんな気持ちにさせてくれるのがOUTILです。

MADE IN FRANCEで物作りをしているのも拘りの一つでしょう。
ワークウェアを縫製できる工場が減少している中、フランス生産に拘りそれを実行している事が凄い事だと思います。
そんな、OUTILの新作が続々と入荷してきています。
その中から、スタッフ別にお勧めのアイテムを紹介します。

COLOR CHARCOAL
SIZE 2 / 3 / 4
PRICE ¥68,000+TAX
僕宅見が今季お勧めしたいのが、リバーシブル仕様になったコートです。
OUTILでは新型となるスタイルで、北海道では3シーズンに渡り着回せる汎用性の高さからこのアイテムをセレクトしました。



OUTILが得意とする染めの技術を用いて生まれた、ムラ感のある生地。
既に何年も着こまれたかの様な表情がヴィンテージの様で男心をくすぐります。
裏地には、コットンパイルを施した贅沢な仕様に。
フランスの放浪者をイメージさせる、何とも言えないやれた雰囲気が大好きです。

FRONT SIDE

RIVERSE SIDE
セットインスリーブの仕様も相まって綺麗なフォルムに。
腰から裾にかけて広がっていくシルエットは、程よいボリュームを生み出し、絶妙なラインを描いています。
徐々に色が褪せていき、自分の身体のシワが入って行く過程を楽しんでください。

この手のコートに合わせるのは、色落ちしたジーンズと僕の中で決まっています笑
色の効いたソックスにローファーというスタイルは、フレンチカジュアルなイメージで。
ラフなスタイルにこのやれたコートを羽織る。
雨の日の、PARISの街に着ていきたくなります。
ARCH 宅見
