sus-sous jacket motorcycle


冒頭の写真は、sus-sousデザイナー西谷氏が所有しているあるヴィンテージを撮った一枚。
ブロードアローが入ったステンシルからも分かる様に、恐らくイギリスのミリタリーウェアーだと推測出来るでしょう。
1942〜43年に支給されていたとされるヴィンテージですが、ディテールは、1920年代頃のフランスのヴィンテージに見られた仕様が詰め込まれています。
おそらく、1920〜30年代頃にフランスで作られた物を、1940年代に官給品として納品していたのかもしれません…
非常に稀なヴィンテージだったと言えるでしょう。
肉厚なレザーで作られたワークパンツ。
この一本のワークパンツの”レザー”からインスパイアされ、色出しを行い製作したのが、今回の”jacket motorcycl”なのです。

フランスでは伝統的な色味である”marron”と呼ばれる色品番。
赤みがかったブラウンの色味は、フランス特有の色気を感じさせます。
この色味とヴィンテージ同様の経年変化を再現する為に、レザーの素材にも拘り抜いています。


素材には、肉厚な”HORSE LEATHER”を使用しています。
コードヴァンレザーなどを手掛ける事で知られる、日本の某タンナーメーカーが手掛けた極上のレザーです。
素材の良さを生かす為に、ベジタブルタンニングによって鞣しています。
ベジタブルタンニングで仕上げる事で、革本来の自然な風合いを残したまま、製品に落とし込む事が出来ています。
馬革の良さを最大限活かす為に、レザーを削いで薄くする事もせず、本来の厚みのまま革らしく仕上げているのも拘りの一つです。
無骨な肉厚なレザーは、使い込む事で色が変化しシワが入り、ゆっくりとゆっくりと、自分の身体に馴染んでくるでしょう。
フランスらしい”marron”の色味は、一体どんな変化を見せてくれるのか…
想像しただけで、楽しみで仕方ありませんね。




デザインベースにしているのは、スウェーデンのミリタリーレザージャケット。
背中のベルトのディテールや、裏地の仕様、無骨過ぎない洗練された一枚に仕上がっています。
裏地に使っている生地は、今秋冬のコレクションで使われている素材。
こういったディテールも、非常に贅沢であり、にくい仕様ですよね。




男が一度は憧れを抱くであろう”レザージャケット”。
ゴツくなりすぎず、軽すぎもしない。
男服が持つ無骨さと、エレガントな雰囲気を併せ持った一枚だと思っています。
このレザージャケットならば、挑戦してみたいかも…そう思ったのは僕達だけではないはずです。
ARCH 宅見