いよいよ明日から始まる、”SLOPESLOW 25AW / 25SS ORDER FAIR”
本日は今イベントの目玉である、別注アイテムの紹介をいたします。
オーダーに際した概要などは、下記ブログからご確認下さいませ。

Slopeslow 25AW/26SS ORDER FAIR at ARCH南青山

25AWのSlopeslow×ARCHのテーマは”原点回帰”
ミリタリー・ワーク・ドレス・アウトドア・フォークロア、メンズウェアのベーシックカテゴリーです。
新品・古着や国籍は問わず、上記のカテゴリーに当てはまる”良い物”をARCHでは展開してきました。
20年経った今でも、そのコンセプトはぶれていません。

何てことない出勤日、ふと思い立ちます。
僕が入社した時には店頭に置いてあった、あるアイテムが今はどのARCH店舗にも無いということを。
特別スペシャルなものという訳でもないが、ARCHにとっては必要なもの。
それは肉厚でタフなフィッシャーマンカーディガン。
羊の油分をこれでもかと含み、重たいけどカッコ良い代替の聞かないニットウェア。

ちょうど今回のSlopeslowオーダーイベントの別注品テーマを模索していた時期でしたので、すぐに他のスタッフにも話します。
“Utility Knitwear”をブランドテーマとしているSlopeslowと、現代のUtility(利便性)とはかけ離れたフィッシャーマンセーターの邂逅。
一体どのような完成形になるのか、B&O夫妻に提案する前からワクワクしていました。

ところが、別注び提案したご返答としてのまず一言目が「僕、フィッシャーマンあんまり好きじゃないんだよね〜」
心の中で「マジかよ！」が出ましたが、好きじゃないというのもどうやら理由があってのこと。
どうしてもこの別注アイテムを製作して頂きたかったのでプレゼンを続けます。

一つは襟のへたりが嫌い。そしてもう一つは木製のボタンが嫌い。
襟については僕も同感で、嫌いではありませんがもっとこうなら良いのにと思ったこともしばしば。
それらを解決する糸口が、Slopeslowの新しいテキスタイルにありました。

ニットウェアひいてはウールの産地として有名なスコットランドのシャギードック島。
創業120年の歴史を持つ超老舗ミルである、”JAMIESON’S”の糸を使用したテキスタイル。
ARCHとしても馴染み深いブランドであり、その品質の良さは折り紙つきです。
生地職人の経歴を持つO氏が選んだ5本の色糸を撚り合わせて1本の集合体にし、それを手作業で編み紡ぎ洋服にしています。
未体験の迫力。従来のフィッシャーマンカーディガン以上の肉感があります。
肉厚ながらも軽いという感覚が先行するのは、恵まれた土壌で育った羊毛の恩恵を十二分に預かっているからです。

B氏のもう一方の嫌いポイントであるボタンには、最もクラシックな製法である手巻きのレザーバスケットボタンを使用しております。

B氏の繊細かつ巧みな生地作りにより誕生した生地は4色。
同系色ながらも絶妙な深みを感じる”WHITE”、モダンさとシックな雰囲気を感じる”CHARCOAL”、我々の得意とするミリタリーやワークウェアとの親和性の高い”KHAKI”、そしてこの別注品だけの限定カラーであり、ARCH南青山のイメージカラーである”IRON BLUE”
どれもシンプルながらも色のニュアンスが複雑で楽しく、コーディネートにも取り入れやすい色味です。
全体像より先に色々と書き連ねてしまいましたが、いよいよ別注アイテムの詳細に迫ります。

Slopeslow×ARCH
“ARAN CARDIGAN – ARCH EX”

COLOR / WHITE , CHARCOAL , KHAKI , IRON BLUE
SIZE / S , M , L
FABRIC / SHETLAND WOOL
PRICE / ¥286,000- inc tax (サイズM , L)
¥275,000- inc tax (サイズS)
※試着に使用する個体はサンプルです。
現在、着丈と襟サイズ調整中。

従来のフィッシャーマンカーディガンは3本撚りで構成されているのでカーディガンにしては厚く、ジャケットにするには薄い、痒いところに手が届かないことが僕の嫌いなポイントでした。
Slopeslowの5本撚りはしっかりとした厚みと暖かさがあります。
そして副産物的に生まれた強みですが、生地に厚みがある分紋様の網に深さが出るので、より洋服としてのカッコ良さが引き立っているのも好みな部分です。

“WHITE”と”KHAKI”にはライトトーン、”CHARCOAL”と”IRON BLUE”にはダークトーンのレザーバスケットボタンが付きます。
それぞれのマッチングも非常に相性が良く、違和感の無さはもちろんのこと、主張はし過ぎないけれど洋服のカッコ良さを底上げしてくれる。そんないぶし銀な活躍をしてくれています。

【STYLING SAMPLE】

いかがでしたでしょうか？

これまでの別注も素晴らしいものでしたが、今回は特にARCHらしくもSlopeslowらしくもある別注アイテムに仕上がったと感じております。
本当はもっと書きたいこと、伝えたいことがあるのですが、かなり長くなりそうなのでこの辺りにさせて頂きます…(笑)

続きは店頭でお話しできたら幸いでございます。
とにかく今回の”ARAN CARDIGAN-ARCH EX”は是非実際に見て着用して頂きたいです。
今週末はARCH南青山にて皆様のご来店をお待ちしております！

ARCH南青山
小見野