EURO VINTAGE MARKET Vol.2 / MILITARY編 Part.2

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当店ブログをご覧の皆様、こんにちは!
ARCH南青山の大久保です。

引き続き、EURO VINTAGE MARKET Vol.2に向けてご用意した、弊社選りすぐりのヴィンテージをご紹介いたします。

昨日のミリタリー編では、小見野がフランス軍のヴィンテージを特集いたしましたが、
今回は「ミリタリー編 Part.2」と題しまして、この度入荷いたしましたフランスを除く
各国のヴィンテージミリタリーウェアを特集します。


本題に入る前に、僕とユーロヴィンテージの出会いについて、少し書き綴りたいと思います。

僕とユーロヴィンテージの出会いは、渋谷に建つ雑居ビルの3Fで営業していた、
とあるヴィンテージショップでのこと。

ユーロヴィンテージというジャンルを知り、興味を持ち始めた7~8年程前、
今から思えば運命に導かれるように、僕は階段を上り、
そのヴィンテージショップの門を叩きました。

扉を開けると、そこには今まで見たことのない洋服が
手狭な店内に所狭しと並んでいました。
Barbour ワックスジャケット、古いBurberrysのコート、
ヨーロッパ各国のミリタリーウェアにワークウェア…。

当時はヴィンテージの知識など全くなく、年代やディテールなどさっぱり分かりませんでしたが、
マッチョなアメリカンヴィンテージとは異なる、
どこか品格のあるユーロヴィンテージの持つオーラ・雰囲気に
ただただ圧倒されたことを今でも鮮明に覚えています。
アメトラ(カジ)青年だった僕がユーロヴィンテージの世界の虜になるのに、
そう時間はかかりませんでした…。

時を経て、僕は転職し、そのヴィンテージショップの一員として働くことになります。
そして今でもこうしてアパレル業を続けていることを考えると、
人生は「いつ」「どこで」「何が」起こるか全く分からないなあと思います。

前置きが少々長くなってしまいましたが、いよいよ本題に入ります。

British Army Battle Dress Jacket Aertex

まずは、ユーロミリタリーの中でも僕の特にお気に入りであるイギリス軍の名品をご紹介します。

こちらは、短丈シルエットが特徴的なイギリス軍の名品バトルドレスジャケット(ブラウス)。
イギリス軍のバトルドレスジャケットと言えば、僕も所有するグリーンデニム生地やウール素材が使用されたものが多い中、こちらは「AERTEX」生地が使用された珍しいモデル。

「AERTEX」とは、イギリス軍が亜熱帯地帯で採用した通気性・速乾性に優れたメッシュ生地のことで、主にブッシュジャケットやシャツに使用されます。

1943 Dated Britsh Army Khaki Drill Trousers

40年代、イギリス軍カーキドリルトラウザーズ。
フロント右側にマガジンポケット、左側に大きなカーゴポケットが配された、
アシンメトリーなデザインが特徴的な一本。

このデザインは後年のモデルに踏襲され、イギリス軍の一つの雛型となります。

40年代のKD TROUSERSは本当に数が少なく、
ここまで綺麗な状態のまま残っているのは本当に稀です。

ちなみに嘘のような本当の話なのですが、
僕が働いていたヴィンテージショップには、
40~60sの古いKD Trousersが山のように積まれていた時期がありました(笑) 。
いまでは到底考えられない話です…。

British Army & Australian Army Gurka Trousers

フロントのダブルバックルスタイルと
裾広がりなシルエットが特徴的なグルカトラウザーズ。

ネパールの山岳民族グルカ族が中心となって編成される
傭兵集団「グルカ兵」が着用していたことから、
その名で呼ばれるようになりました。

この度イギリス軍の個体と、イギリスの縁の深いオーストラリア軍の個体が入荷いたしました。
いずれもグッドコンディションです。

Swedish Army Hospital Jacket  

気品が漂うスウェーデン軍のホスピタルジャケット。

各所メタルボタンが使用されており、
40年代前後の逸品と推定されます。

上質なリネン生地が使用されており、
ぷるっぷるな質感でありながら確かなしなやかさがあり、抜群の風合い。
やはり古いリネン生地は他の年代に比べて、質感・風合いが格別です。

1910s German Navy Sailor Pants Dead Stock

今回の目玉の一つ、
リネンヘリンボーン生地が使用されたドイツ海軍のセーラーパンツ。
なんと1910年代個体で、紙タグ付きのDEAD STOCKで見つかりました。

1910年代といえば第一次大戦期ですから、
その年代のものがDEAD STOCKで残っているとは俄には信じられません…。

Russian Army Linen Coat

今回僕が検品していて、度肝を抜かれた1着が
こちらのロシア軍の古いリネンコート。
今回の大目玉です。

フロントは剥き出しのボタン留め、
胸元にストームフラップ、両腰にフラップポケットを備えたフロントデザインが男心を擽リます。

生地はガシッと堅牢なリネン生地。
勇ましいデザインと生地の質感が相まって鬼気迫る様な面構えで、
眺めていると吸い込まれそうな、圧倒的なオーラを放っています。

この他にもオーストラリア軍バトルドレスジャケット、ロシア軍スリーピングシャツ。

フランス軍TAP47 エクストリームパラトルーパートラウザーズに
オランダ軍のフィールドトラウザーズなど、
他所ではではなかなかお目にかかれないような
ヴィンテージユーロミリタリーが一挙に店頭に並びます。

1940s Japanese Army Rain Coat

ユーロミリタリーの枠からは外れますが、
ミュージアム級とも言える、大変貴重な日本軍のレインコートも,,,。
気になる方は是非店頭でご覧ください。

冒頭つらつらと書き綴ったように、僕自身ユーロヴィンテージの世界を知ってからというもの、
コペルニクス的転回と言ってよいほど、生活や価値観が一変しました。
ユーロヴィンテージにあまり親しみのない方々がこのイベントをきっかけに、
生活や価値観を変えるまではいかないにせよ、
ユーロヴィンテージの奥深さを少しでも感じていただけたら、
僕にとってこの上ない喜びです。

長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
明日からの3日間、皆様のご来店をお待ちしております。

ARCH南青山
大久保