ALDEN×ARCH / PENNY LOAFER “WAXBACK”

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本日は昨日公開したブログで匂わせていた、ALDEN×ARCHの別注モデル。

早速ですが。一体どんな物なのか発表いたします。
ズバリ今回のモデルは…

“PENNY LOAFER”です!!

【10/17(fri) 発売開始】
MODEL : UNLINED PENNY LOAFER
LEATHER : WAXBACK
LAST : VAN
COLOR : BLACK
SIZE : 7D , 7HD , 8D , 8HD , 9D , 9HD , 10D , 10HD , 11D
オンラインショップへの掲載は10/20(mon)を予定しております。

《注意事項》
・先着順に販売いたします。
・オープン時間以前にお並びになる方は、通行人の方や近隣ショップのご迷惑にならないようご配慮をお願い申し上げます。
・在庫薄の理由から、ご購入後の返品や交換はいたしかねますので予めご承知おきくださいませ。
・通販での販売対応は10/20(mon)以降とさせて頂きます。
・お電話やメール、インスタグラムDMでの事前お取り置き等はいたしかねますので、予めご了承ください。

前回のブログの写真から、おおよそ見当はついていたかと思いますが(笑)
ARCHとして、別注モデルのPENNY LOAFERを製作していただくのは初めてではないでしょうか。

改めてローファーとは?
ローファーには二つの起源があると言われています。
ノルウェーの小さな町Aurland(オーラン)の地元漁師が好んで履いていたスリッポンをベースに、アメリカで靴作りを学んだ職人がハンドモカシンの技術を用いて作ったとされる”Aurland shoes”がまず一つ。
もう一つは、イギリスのWildsmith社が王室向けの室内用スリッポンを手掛け、それが英国式ローファーとして独立した始まりを迎えました。

第一次世界大戦後の混乱と世界恐慌を経験したアメリカには、「労働からの解放」や「余暇の楽しみ方」という新たな価値観が広がっていきます。
特に中流階級の間で、”ウィークエンド・ハウス”や”カントリークラブ”、”サマーキャンプ”などのレジャーが流行し、その際に着用するカジュアルな衣服や靴のニーズが増えました。
その中で「軽くて紐のない靴」は理想的なレジャーシューズとして注目されていきます。

ニーズに合わせるように靴産業がマサチューセッツ州からメイン州まで広がり、大量生産ができて低価格なカジュアルシューズが次々と登場する中、1936年にG.H BASS社がノルウェー発の”Aurland shoes”に目を付けて、それを改良する形で今日まで伝わるローファーの基本形であるモデルが完成しました。
着脱が楽でスニーカーほどカジュアルな見た目にならないという絶妙な立ち位置が、後にアイビーリーグに所属する東海岸の学生たちを中心に愛され学生ファッションのアイコンになり、アイビースタイル改めアメトラとして、日本でも一大ファッションムーブメントになりました。

ALDENが作るPENNY LOAFERは、ビーフロール仕様ではなくスマートなステッチワークと絶妙な塩梅のぼてっとさが、品の良さと良い意味での脱力感が共存しており、大人が履くべきローファーとして世界中から人気が集まるモデルです。
「数多あるモデルの中でPENNY LOAFERが最も需要があり中々入荷してこない」と、過去にALDENの正規代理店を務めるラコタハウス様の方から教えて頂いたことがあります。

定番のPENNY LOAFERと違い、甲高な日本人に向けてシュータンが長く設定されており、長時間履いていても甲が痛くなりづらくなっています。
僕が昔所有していたALDENのローファーは通常のモデルだったため、店頭に1日いると信じられないほどに足が痛くなってしまい泣く泣く手放した経験があります。それくらい甲へのダメージは足に悪いのです。

そして今回の別注モデルにおいて、最大の特徴は使用しているレザーにあります。
“WAXBACK”という聞き慣れないレザーを採用しており、この革は10年以上不出の素材でブラックカラーは初めての登場とのことです。

“WAXBACK”と呼ばれる、聞き慣れないこのレザー。
クロムエクセルレザーのスムースを使用し、裏面にコーティングを施すことで毛羽立ちが抑えた見た目に仕上げています。
簡単に言えば、柔らかいクロムエクセルレザーをさらに柔らかくしたイメージです。
シュータンの裏に裏地を貼り付けないアンライニング仕様に、この”WAXBACK”が合わさることで非常に快適な履き心地を実現しています。

そしてアウトソールは、レザーソールにオイルを染み込ませ防水性と柔軟性を高めたウォーターロックソールを採用。
アンライニング+ウォーターロックソールという柔軟性に重きを置いたフィッティングシステムには、フレックスインソールと呼ばれるALDEN社が使用するインソールの中でも、最も柔らかなインソールが使用されます。

これらの条件が揃うことで、過去にローファーで痛い思いをした方にも納得して頂ける1足になったはずです。

ALDENが作るPENNY LOAFERの醍醐味とも言えるトゥ部分のステッチは、これまではハンドモカステッチでしたがマシーンステッチに切り替わっています。
どちらにも良さがあり、一概に甲乙はつけられません。
マシーンステッチは縫い目が綺麗なのが良いところで、元来ローファーが目指すべき上品さを底上げしてくれています。
“WAXBACK”自体はクロムエクセルレザーと同様の、どちらかというと粗野なエイジングをしていくので、この上品なステッチワークとの相性は抜群。

雨雪にも強く、全天候でご着用頂ける汎用性の高さはコードバンやカーフにはない魅力です。

ALDENの靴はどれも凛として気品ある佇まいながらも、初めての革靴という方にも何だかとっつきやすいフォルム…
これが洋服と組み合わせた際に、自然な格好良さを演出してくれる要因だと僕は思います。
靴単体で見た時に格好良かったり素晴らしいものはたくさんありますが、日常に根ざした革靴で格好良いとなると、ALDEN以外にはあまり思いつきません。

“スニーカーと革靴の中間”
特に普段革靴を履かない方にこそオススメしたいモデルです。

ARCH南青山
小見野