Suit Style

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僕らが理想とするスーツを製作するにあたり、まずフォーカスしたのは英国背景のトラディショナルなスーツです。

各年代における英国スーツの特徴をざっくりと紐解いていくと、、、

1920年代は、スーツにダーツが無い時代であり、そこを踏襲するとかなりコスプレ感が出てしまう。

1930年代になると、ピークドラペルが主流になる時代であり、かなりデコラティブな仕様になる。

そして、1960年代はラペル幅が細くなり、Vゾーンが狭くなる物が主流である。

という流れがあり、そうなると必然的に1940年代、1950年代頃の英国スーツにフォーカスを当てることに。

当時の良いところをベースにしつつ、現代で着用しても違和感の無いバランスを意識しました。

ナチュラルな肩の傾斜と、やや角ばった肩、少し広めの衿、美しい胸のドレープ、そして程よく絞り込まれたウエスト。

あくまでクラシックな英国スーツをベースにしながらも、現代に合った絶妙なバランスに調整しています。

英国スーツはサイドベンツのイメージが強いですが、そこはあえて軽やかな「センターベント」を選択。

着丈はしっかりとお尻が隠れる長さに設定することで、クラシックで正統派な印象を大切にしました。

トラウザーズは、ウエストのくびれにしっかりとフィットするように股上が深く、ジャケットに対してやや太めのシルエットに設定しています。

フロントのデザインは、腰回りをふくよかに見せ、且つリラックスした穿き心地をもたらす、クラシックで英国的な2インプリーツ仕様を採用。

ベルトループは設けず、ブレイシーズ(サスペンダー)もしくは、サイドアジャスターを使用したベルトレスでの着用をイメージしています。

ベルトではなくブレイシーズを用いて「吊る」ことで、上から下へ流れるような、クラシックで美しいシルエットが生まれます。

このスタイルをベースに、オーダーの際はゲージサンプルを着用して頂き、お客様に合わせてサイズの補正を行います。

続いては、オーダーでお選び頂ける生地をご紹介したいと思います(少し長くなりますがお付き合い下さい)。

僕たちがブラックフォーマルスーツの生地として一番おススメしたいのは、ご試着頂くゲージサンプルにも使用している SMITH WOOLENS(スミスウーレンズ)のミッドナイト・バラシアです。

SMITH WOOLENSは、1921年にロンドンで創業したマーチャントで、質実剛健で英国然としたオーセンティックな生地に定評があり、サヴィル・ロウの名門テーラーからも高い評価を受けています。

バラシアは、タキシードなどのフォーマルウェアに使用される代表的な生地の一つで、落ち着いた光沢感とざっくりとした風合いが特徴。

そして、復元性が高くシワになりにくく、盛夏を除く長いシーズン着用できるという面でも、ブラックフォーマルスーツには最適な生地です。

しかし、なぜカラーはミッドナイト(濃紺)なのか??日本におけるフォーマルウェアの伝統は「ブラック」になりますが、これは日本独自の解釈によるものです。

一説によると、ある紳士服メーカーが戦後の復興期に「ブラックスーツが一着あれば、ネクタイを葬儀には黒、婚礼には白と替えることにより、どちらにも対応できて一石二鳥である」という発想を広めたことがきっかけだそう。

戦後で経済的にゆとりのない国民にこの考えが広く受け入れられ、半世紀以上経った現代に至るまで、礼服 = ブラックという日本独自の常識が続いているのです(ちなみに明治以前の喪服は白だったそうです)。

それに対して洋服の生まれた海外では、限りなくブラックに近い濃紺である「ミッドナイト」が主流であり、夜の照明下ではブラックよりも深みのある色に見えるという特徴から、日本での礼服としても違和感は全くありません。

ちなみに、長くなるので詳細は割愛しますが、ミッドナイトの生地が誕生した背景には、あのウィンザー公が関わっているというのも非常に興味深いところです(気になる方はぜひ調べてみて下さい)。

さて、ミッドナイトに関して少し熱く語ってしまいましたが、、、笑

ただ、日本におけるフォーマルウェアという事を考えるとやはりブラックが良い、という方も当然いらっしゃるかと思いますので、ブラックの生地もしっかりご用意しています。

イタリア・ビエラにて350年以上の歴史をもつ名門ミルであるVITALE BARBERIS CANONICO(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)のキッドモヘアバラシア。

SMITH WOOLENSのバラシアと比べ、キッドモヘアが入ることにより生まれるシャープな光沢感と清涼感のある風合いが特徴で、軽さもあり通気性に優れるので、夏を含めた長いシーズン着用できます。

また、VITALE BARBERIS CANONICOは羊の飼育から糸の紡績、生地の生産まで全てを自社で一貫して行っているため、高いコストパフォーマンスも魅力となっています。

葛利毛織(くずりけおり)は、日本最大の毛織物産地として有名な愛知県・尾州にて、100年以上の伝統を持つ老舗生地工場です。

今では希少となった低速の旧型織機「ションヘル織機」でゆっくりと時間をかけて織られた生地は、素材の良さを活かした手織りに近い風合いが特徴。

日本国内のみならず、海外ブランドからも高い評価を受けている、日本製ならではの非常に高いクオリティーを誇る生地です。

【 PRICE LIST(すべて税込価格)】

<SMITH WOOLENS>
¥250,800~¥256,300
<VITALE BARBERIS CANONICO>
¥206,800~¥212,300
<葛利毛織>
¥184,800〜¥190,300

※価格はサイズによって異なります。
※オーダー時に全額または50%のお支払いをお願いいたします。
※納期は約2か月となります。

“Black Formal Suit” Order Fair
2022.3.19(sat) – 21(mon) 

ビスポークテーラーの方からの協力を得ながら、自分達が自信を持ってご提案できる「スーツ」を水面下で準備してきました。

決してトレンドに惑わされることない、クラシックで上質なスーツをARCH市電通りの新たな軸として、皆様にご提案していきます。

今週末、3月19日(土)〜21日(月・祝)の3日間に渡り”BLACK FORMAL”というカテゴリーに焦点を当て、初のオーダーイベントを開催いたします。

冠婚葬祭などのフォーマルなシーンに最適な生地をご用意し、パターンオーダーにてお客様のサイズに合わせたスーツをお仕立ていたします。

また、スーツを着る際に欠かす事ができないドレスシャツも、お客様に合わせて1枚からパターンオーダーをお受けいたします。

ARCH 市電通り 川上

※オーダーはアポイント制となりますので、下記お電話番号かメールアドレス、LINEまたは、instagramのDMにてご希望の日時をご連絡下さい。

TEL 011-233-3027
E-MAIL shidendori@archstyle.tv
LINE @857rachi
instagram arch_shidendori