“A VONTADE” 山川氏 インタビュー
A VONTADEデザイナー山川氏にブランドについてのお話しや今回の別注ジャケットの経緯など色々とインタビューさせて頂きました。
1.山川さんからみたArchとは。
一言で云うと(軸足がしっかりした)ブレない店だと思います。
本来、セレクトショップとはそうあるべきだと思いますし、皆そういう志を持ってお店を始められてると思うのですが、移り変わりの早いファッション業界の中で、2年、3年と続けるうちにどうしても右から左に簡単に売れるものや、流行りのブランド、ネットの情報などに流されていくお店が多い中、一貫してセレクトの基準が『自分たちが本当に良いと思うモノ』『自分たちが売りたいモノ』に徹している、このご時世、稀有なお店だと思います。
経営的な見方をすれば、もう少し『楽で簡単なやり方』も十分選択できると思うので、不器用だなぁと感じる事も稀にありますが笑、そこを一切やらずに自分たちの信念を貫き通す『覚悟』と『熱量』が、結果としてお客様やブランド側からも支持、信頼を集めている理由だと思いますし、私自身、長くお付き合い頂いている事が自信にもなる、そういうお店です。あとはスタッフの皆様、ひいてはお客様に至るまで、洋服に対する熱量、知識、感度が高く、来札する度に良い刺激をいつももらっています。
2.今回の別注ジャケットの製作に至った経緯。
このジャケットは80年代の米国フィッシングジャケットをデザインインスピレーションとして制作しました。
*A VONTADEのインラインではコットンナイロン素材で同型を展開しているのですが、ビンテージにも精通したARCHさんでの展開を考えた時に、もう少し時代を遡って70年代以前のフィッシング、ハンティングジャケット素材の主流であったローテクな綿100%ダック地に置き換えた方が面白いのではと思い、私の方から素材のご提案をさせて頂きました。また春夏という事で、ビンテージさながらのガチガチのダック地ではなく、ヘリテージ感は纏いつつも、少しウェイトを落としてTシャツの上からでもさらっと羽織れるイメージで制作しました。
あとは実際に釣りをさせるスタッフさんも多いのと、その土壌がある北海道で展開して頂くというのも大きな理由の1つです。
3.ブランドを立ち上げたきっかけ。
ブランドは2003年からスタートしたのですが、当時はまだインポートブランド中心の品揃えのセレクトショップが多かった印象です。私自身もインポートブランドか古着しか着てこなかったのですが、以前の職場(35summers)で欧米のファクトリーなどを訪れる中で『それぞれ自分の生まれ育った国の背景で、その国の匂いを纏ったモノ作り』というものに直に触れて、自分でブランドを始める際には Made in Japan を核にしようと思いました。
初めはボトム中心でスタートしたのですが、理由は当時のインポートブランドでは自分の体形にしっくりくるモノがなく、なんとなく『着さされている感』があったので、自分にフィットするシルエットのパンツを作れば(同じような悩みを持ったお客様に)少しは需要があるのではと思い、まずはそこからスタートしました。そこからシーズンを重ねる毎にアウター、シャツなど徐々にアイテムの巾が広がっていった感じです。
元々、自分が好きでこれまで着てきたインポートの雰囲気を纏いながらも、日本製ならではの丁寧かつ繊細な仕事と匂いのあるモノ作り、あとは今でいう所のサンプリング(オリジナルの元ネタをベースに新しいモノ、価値観を生み出す)という手法は、自身の得意とする所でもありますので、今後もその長所を活かしたモノ作りを続けていければと思っています。
4.今後Archとしていきたい取り組みは。
私自身は完全に『受け身』だと思ってますので、あくまでご指名、ご用命頂ければの話ですが、、、
具体的にコレをやりたい!というのはまだ見えていませんが、素材変更やアーカイブの復刻的なモノだけではなく、『完全に0からのモノ作り』には興味ありますね。その場合は*A VONTADEじゃなくても良いですし、何か1つ『縛り』や『テーマ』を入れた中で、お互いの長所を引き出せるような新しい取り組みができれば面白いかと思います。
例えば、私もオーナーの山内君も大好きな『北の国から縛り』とかどうかな?まずは五郎さんのドカジャン(か純の水色ジャージ)あたりからスタートでいかがでしょう笑。
山川さんコメント頂きありがとうございました。
今回の別注フィッシングジャケット、前回のBLOGでもご紹介させて頂きましたが素晴らしい一枚が出来上がったと思います。
是非とも実物を見て頂き袖を通して頂きたいです。
皆様のお越しをお待ちしております。
Arch米村屋 阿部
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