洋服屋目線の写真 Vol.1
携帯を開けばある程度の情報が分かる便利な時代。
インターネットが普及していなかった時代は、雑誌や写真集が主な情報源だったと思います。
海外出張に行く際は、ボスからGoogle Mapの使用を一切禁止される。
本屋で買った地図と勘を頼りに歩かなければいけない笑
その感覚に似ているのか、ARCHに入社してからは情報を集めるのはネットではなく、生の声と写真だった。
古い写真から、この服は何年代に作られたとか…ありとあらゆる手段で知りたい情報を調べていきます。
そんな事をしている内に、お店に置いている古い写真集の撮影者に興味が沸くようになっていきました。
そこから、写真を見るのも撮るのにも興味を持ち始める事に…
自分の想像と妄想で、一枚の写真から当時の時代背景や洋服について、このブログのコーナーで紹介していきたいと思います。
初めて自分のお金で購入した写真集は、”木村 伊兵衛”のパリ残像です。
1954年に、戦後日本人では初めてパリで撮影をした人物であり、ライカ使いの名手としても有名です。
国際写真家集団”マグナムフォト”のメンバーである”アンリ・カルティエブレッソン”と共にパリで過ごしているのも、興味深いお話。
当時のパリを撮影していたのが、50年代なので時代的にライカM3を使っていたはずです。
LEICAの描写力と富士フィルムのカラーフィルムがなんとも良い雰囲気ですよね。
木村 伊兵衛がフランスで何を感じ何に影響を受けたのか…彼の写真自体が少ないので、何とも確信的な事は語れないのですが…
ブレッソンに大きな影響を受けていたそうなので、もしかしたら洋服の着こなしなんかも影響を受けていたのかも?
写真を撮られるのを嫌うブレッソンを、木村 伊兵衛が一瞬で捉えた一枚。
ステンカラーコートに合わせたストールの巻き方や帽子の被り方を見ても、どこかエスプリが効いているというか、コンチネンタルな空気感がありますよね。
1950年代当時の日本は、アメリカの文化が流れ込んできた時代。
その時代にこのスタイルは新鮮だったのではないかと思います。
白洲次郎然り、この時代にヨーロッパを渡りその文化を体現していた日本人は、稀な存在ですし今見ても格好良いです。
日本人写真家として、戦後初めてパリで撮影を行った人物”木村 伊兵衛”
日本人から見たパリを写した写真は、パリの当時のファッションや街並みを感じる事が出来ます。
古い写真から、コーディネートを模索する…白いタートルネックにグリーンのカーディガン、ツイードジャケットの男性のスタイルは、即真似したい格好です笑
もしタイムスリップ出来るならば、カメラを片手に50年代のパリに行ってみたいな…苦笑
ARCH 宅見