幻の黒のフィッシュテール?
1950年代に起こったムーブメント”MODS”の影響は計り知れない。
代名詞であるフィッシュテールパーカーは、アメリカが開発した物にもかかわらず、当時のイギリスのカルチャーを象徴していると思う。
個人的にも大好物であるフィッシュテール。
当時のMODSを映し出した映画や写真集を見るとオリーブの51を着てる姿を目にする。写真を探してる中で、興味深い一枚を見つけた。
間違いなくオリーブなんだけど、どう見てもブラックにしか見えないフィッシュテール…光の具合なんだろうが…笑
自分にはブラックに映るこのフィッシュテールを見て、様々な妄想をする。
当時、フランスから移住してきた洒落者が、ブラックに染めてこのフィッシュテールを着ていたんじゃないか…もしくはイギリス人がフランスに行った際に持ち帰ってきたものとか…
当時存在していなかったであろうブラックのフィッシュテールに様々な妄想を膨らませてしまいます。
IVYと言えばネイビーブレザー、ヒッピーならばベルボトムといったように、時代時代で生まれたカルチャーにはそれを象徴するアイテムが存在している。
アメリカ軍のミリタリーアイテムが、MODSを象徴するというのが、興味深い時代背景だと思う。
MODSリバイバル、カフェ・ブリュで有名なポールウェラー、オアシス・リアムギャラガーなどのミュージシャン達が、このフィッシュテールを格好良く着ていた。
イギリス人にとっては、当たり前のアイテムなのか…はたまた当時のムーブメントを尊重してるようにも感じる。
アメリカでありイギリスのカルチャー…こうゆう背景に惹かれてしまうのです。
イギリスと言えば、実はCASEY CASEY のデザイナーである、ギャレスもイギリス出身の一人です。
彼が作る洋服もどこかイギリスにルーツのある素材やデザインが多い気がしている。
イギリスMODSの背景を映し出したアイテムが、CASEY CASEY から登場しました。
フィッシュテールパーカー。
CASEY CASEY が解釈した一枚は、イギリス、フランス、アメリカのディテールを感じることが出来る。
ギャレスもまた、MODSに影響され当時の音楽やファッション、カルチャーを楽しんだ一人なんだろうか…
そんな妄想をしながら、このフィッシュテールパーカーを見て顔がニヤけてしまうのである。
続く。
Arch 宅見