CASEY CASEY “BIG BLOBBY COAT Arch Ex.”

22Nov. 2024

CASEY CASEY

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ブログをご覧の皆様こんにちは。
ARCH南青山の小島です。

前回のブログで登場したコート。
前回のブログは下記リンクからご覧になれますので、是非ご一読下さい！
実はArchで初となるCASEY CASEY(ケーシーケーシー)との別注のコートです。
今回はそのコートについてご紹介させていただきます。

CASEY CASEY × ARCH “SPECIAL EXCLUSIVE”

BIG BLOBBY COAT（BATAVIA）- ARCH EXCLUSIVE
FABRIC / SHELL : BATAVIA(VIRGIN WOOL 45% LINEN 55%)
LINING : (COTTON 100%)
COLOR / BLACK
SIZE / XS , S , M , L
PRICE / ¥275,000- inc tax

それは去年の1月ごろだったかと思います。
フランス出張組みから送られてきた、CASEY CASEY24AWの資料と画像。
その後生地サンプルやその場での出来事や雰囲気、その時の事件など落とし込みがあるのですが、その中でも自分の想像するCASEY CASEYらしい生地がありました。

今季CARGO PANTSというモデルでも使われているBATAVIAという生地があります。
BATAVIAはウール×リネンのコンビネーションでヴィンテージにもよく見られる組成の生地で、洗いのかかったリネンの立体感や、ウールの重厚感が魅力的な生地。
Archが20周年を迎えたこともあり、初となる別注商品として特別なコートをCASEY CASEYに作って頂きました。

自分がCASEYCASEYをお勧めするときに伝える言葉で「空気を着るような着心地」という表現を使います。
上質な生地は伝統のあるイタリアの工場とタッグを組み、最上級の生地を特注で作り上げています。
そして完成した最上級の生地を洗いにかけることでこの独特の表情が生まれます。

なぜ折角完成した最上級の生地に洗いをかけるのか。

洗いをかけることで生地が本来到達する表情に変化する。その行為が生地の本質を見抜く。という考えなのです。
ウールは洗えないのでは？という方も多いかと思います。
現代ではあまり見かけませんが、古いミリタリーウェアやワークウェアにはウール100％の物が多く存在します。
裏地やインナーウェアですらガビガビのウール混じりの物があります。
それはウールである必要があったからで、ウールは呼吸する生地の為、温度調節に長けていながら防臭や細菌を繁殖させにくい素材という側面も持っています。
現代では科学的に開発される機能素材が多くを占めていますが、第二次世界大戦以前では天然の機能素材として重宝されているのです。

常に死と隣り合わせの漁師や海兵の着用する物も決まってウール製品だったのです。

そして当時そういった使い方をしている製品を洗わないで着ていたわけもなく、古着でも歪な形に片けしている物もしばしば見かけます。
ウールは水分に反応して伸び縮みする特性があるのですが、そのおかげで保温、放熱の機能があるというわけです。
そして伸び縮みしている間に絡まってしまい、がんじがらめになってしまった物がとんでもなく縮んでしまい、戻らなくなってしまった物ということなのです。

ただこれはネガティブなことばかりでなく、がんじがらめになっているおかげで生地はタフになり、最高の保温力を持つことになります。
そう言った特性を利用してウール生地を縮めることを縮絨(しゅくじゅう)といいます。

今回の生地も縮絨された生地なのですが、今回の生地はリネン×ウール。
麻の特性は皆がご存知のプラスチック製のストローようなイメージ。
というのも噛んだり折ったりするとストローにはくっきりとその跡が残り、戻ることがありません。

気難しいウールと頑固なリネンのコンビネーションなんて考えただけで大変なのですが、それを驚きの柔らかさ、軽さに仕上げているのです。
繊細さとタフさを兼ね備えた唯一無二の生地を、今回Archが好んで提案し続けてきた”BIG BLOBBY COAT”に乗せて。
フランスのエッセンスをふんだんに閉じ込めた、究極のバルマカーンコートです。