James Grose Clubman Jacket
ライダースジャケットを語る上で欠かせないユースカルチャーでありスタイルに「Rockers(ロッカーズ)」があります。
1950年代後半イギリス、アメリカのバイカーズスタイルに影響を受けた労働者階級の若者たちが24時間営業のカフェにオートバイで集まり、公道でバイクレースを行っていました。
彼らは、ワッペンでカスタムされた革ジャンに革パン、首元には白いスカーフを巻き、髪の毛はリーゼントという出で立ち。
バイクは、ノートン、トライアンフ、BSAなどのネイキッドバイクを速度や旋回性能を追求し、スポーツバイクへとカスタムした「カフェレーサー」を愛用していました。
ちなみに「ロッカーズ」と対立した当時のスタイルが皆さんご存じの「モッズ」です。
ハーレーダビッドソンに代表される、楽な姿勢で乗車するアメリカのバイカーズスタイルでは、着丈が短く、身幅、肩幅が大きい、ゆったりとしたライダースジャケットが主流でした。
それに対してイギリスのカフェレーサースタイルは、前傾の強い乗車姿勢で走行しスピードも速かったため、前傾姿勢でも背中が出ないように着丈が長く、空気抵抗を受けづらいタイトフィットのスタイル、いわゆる「ロンジャン」へと進化します。
そして、ロッカーズのユニフォームからファッションアイテムへと変わっていき、多くのミュージシャンやアーティストが印象的な着こなしを披露してきました(個人的には、ポール・マッカートニーの着こなしがリアリティあって好きです)。
そんな歴史や背景を踏まえながらも、ARCH市電通りらしい、ライダースジャケットの着こなしを提案していきたいと思います。
Clubman Jacket
Color Black
Material Horse
Size 40, 42, 44
Price ¥214,500-(inc tax)
【商品ページはこちら】
レーシングスタイルを彷彿とさせるセンタージップのシングルライダースジャケット。
逆ハの字の胸ポケットが 60’Sアメリカ的な雰囲気もありながら、すっきりとしたシルエットに長めの着丈と袖丈、深紅の裏地、背面にはピン無しバックルという仕様はまさに「ロンジャン」と言った仕上がり。
シンプルでベーシックなシングルライダースながら、唯一無二な1着となっています。
ポケットには英国らしいボールチェーンの引き手がついたジッパー、フロントには英国製ライダースジャケットのジッパーとして定番であり、ベルギーにて1946年創業という歴史を持つ ALBERT ZIPPER(アルバートジッパー)の復刻タイプダブルジッパー(YKK製)が採用されています。
レザーはベジタブルタンニン鞣し・アニリン染め・ワックス仕上げのホースレザーをチョイスしました。
ホースレザーらしい小傷や血筋がとても良い表情を醸し出しており、滑らかで柔軟性にも優れているので、カウレザーほどハードでなくシープスキンよりも男らしい、という絶妙な立ち位置です。
地厚(1mm以上)なレザーを縫い合わせてジャケットを作り上げることは非常に難しく、本格的なライダースジャケットを生産できるファクトリーは英国内でも希少であり、しかもロンドン市内となるとなおさらです。
ダブルライダースと比べて着こなしの幅が広いのが、癖のないシングルライダースの魅力。
白TEEとのシンプルな合わせは勿論のこと、ハイゲージニットで上品にまとめるもよし、タイドアップで着こなすのも良いですね。
ボトムスはブルージーンズではなく、グレースラックス、もしくはブラックジーンズが僕らの提案です。
軍パンに白シャツを合わるのと同じように、本来混ざり合わないであろうアイテム同士を混ぜたコーディネートは「スタイル」を感じさせる行為だと思います。
足元はブーツや表革のレザーシューズだとハードな印象になりがちなので、スエード靴がおススメです(ぜひ、astorflexを…笑)。
冬にはライナーのような着方でコートを上に羽織るのもありです。
ロッカーズの象徴であるライダースとモッズの象徴であるフィッシュテールパーカを組み合わせ、対立したスタイルをミックスするのも面白いかなと思います。
つらつらと書きましたが、イギリス製、しかもロンドンで作られているライダースジャケット、というだけで何も言う事はありませんね。
この入荷を一番心待ちにしていたのは僕自身かもしれません、、、笑
ライダースジャケットが好きな方には勿論ですが、今まで着たことがなかったという方にも、ぜひ挑戦して頂きたいです。
ARCH 市電通り 川上