恵那眼鏡工業
今週の木曜日から始まるENALLOIDのPOP UPイベント。
初めて取り扱いするアイウェアのイベントという事でブランドのことを知らない方も多いと思います。
今回のブログではENALLOIDを制作している恵那眼鏡工業について触れていきたいと思います。
恵那工業株式会社は1947年岐阜県中津川市に前身「大阪眼鏡有限会社」として設立されました。
当時から今現在に至るまで創業者、丹羽諌氏の言葉「眼鏡は何よりも視力矯正器具としての役割を全うするべきもの。だけれども人間の真ん中に来るものである以上、個性を引き立てるべき存在でなくてはならない。工業製品として一括りされるようでは寂しすぎる。眼鏡を工芸品と同じレベルにしなくてはいけない」を理念として眼鏡を作る作業を一貫生産(一つの工場で全ての工程を行う)しております。
一貫生産と聞くと全部を作るんだとイメージしやすいと思いますが、現実はそう簡単では御座いません。
特に今現代では生産性やコストを考えて、有名な眼鏡工場でも分業制で外注にて溶接パーツなどを作成していることが殆ど。日本国内で一貫生産を行なっているのは恵那眼鏡工業を含み2社しかないと言われています。
ではなぜ恵那眼鏡工業はこの一貫生産に拘るのか。
それは創業者の理念でもあった眼鏡を工芸品として作るにはこの方法が、一番良いという信念があったからだと思います。
そういった考え方や信念がArchの洋服にも通づると思い、今回イベントを開催させて頂く運びとなりました。
それでは少しですが、眼鏡を作る工程をご説明させて頂きます。
まずは生地の選定から。恵那眼鏡工業ではアセテートという特殊プラスチックを徹底した品質管理の元保有しており、この膨大な数の中から製作するメガネに合った生地を選びます。
このアセテートですが、実は恵那眼鏡工業が1957年に日本で初めて眼鏡の量産に成功し、そこから普及しました。
次に工場で管理されたアセテートの板を眼鏡の取り都合に配慮しつつ切断していく作業。最終的に眼鏡の形になるまで150から200の工程数をかけており、とても手間のかかる作業です。
一貫生産をする上で手作業と機械を上手く分けるということが良い眼鏡を作る上でとても重要。鼻パット貼りなどの細かな作業は全て手作業。機械に頼るところと手作業で行うところのバランスを考え、最良のものを作ることは、Archで取り扱っている洋服にも同じことが言えます。
ENALLOIDの眼鏡の特徴として特に拘られているのはフレームの美しさです。
生地の選定から形作られた眼鏡の枠をバレルという大きな機械に研磨剤とチップ
と共に入れ、回しながら磨いていきます。
この工程にはとても時間をかけており、通常の3倍の時間を費やしています。
そうすることで、手磨きをする前の土台がしっかりと作られます。
通常の3倍の時間をかけ、バレルで磨かれた後に最終磨きで手磨きされ、美しいツヤのあるフレームへと完成していきます。
通常では溶剤で艶を出すことが多いですが、恵那眼鏡工業では全て手磨きを行うことで最終的に自然な艶感で人の顔に馴染んでくれるフレームに。こうして完成したフレームは最後に人の手と目により最終検査されお店へと出荷されるのです。
眼鏡作りの「めの字」も知らない自分でしたが、今回イベントを開催させていただく事になり、色々なことを知ることが出来、作り手の拘りを強く学ぶ機会になりました。こうした拘りは洋服屋で働かせて頂いている自分もとても共感できるし、それと同時にこれからも忘れてはいけないことだなと思いました。
「HANDMADE IN JAPAN」
日本製ということと自社で一貫生産するという拘りがふんだんに詰まったENALLOIDの眼鏡。
是非イベント当日は自分の好きな洋服と合わせて、お楽しみ頂けたらと思います。
明日のブログでは、ラインナップをご紹介させて頂きますので楽しみにお待ちください。
Arch STELLAR PLACE 曲木