26AW AUBERGE × ARCH “MCR-37”
前回のやり取りから数日。
シープレザーの手配が決まり、ようやく“素材”という土台が整った。
ここからが、本題だった…
今回、2色のレザーで短丈ブルゾンを考えているのですが、型で悩んでいます…
せっかくこのレザーを使うなら、ちゃんと意味のあるものにしたい。
(ひとつ、前々から考えていた型があるのですが…)
ええ。素材が強い分、型はなおさら重要になりますね。
今回で、AUBERGEにレザーを用いた別注を依頼するのは実に2年ぶり。
前回、24AWで製作した“LANGDALE(ラングデイル)”以来となる。
24AW AUBERGE / LANGDALE
“レザー”という簡単には踏み込めない領域だからこそ、
「何を作るか」には、これまで以上に理由が必要だった。
年始にリリースしたBRIT LIGHTはイギリスが絡んでいましたがベースはUSヴィンテージだった。今回は一度、Archの軸に立ち返りたいんです。
ヨーロッパの古き良き時代に生まれた衣服(道具)という視点に。
そうですね。それがArchさんらしいと思います。
これまでは生地からミリタリーやワークウェアを連想し+αで物語りをのせる流れが多かったんですが…
今回は少し視点を変えて、ひとつの”都市”から物語を作り上げ、別注品に繋げたいと思っているんです…
歴史ある都市からヒントをかき集めての構想ですか…新しいですね。
はい。その土地の空気や歴史を、服に落とし込む。
そんな想いから今回の別注は作り上げたいですね。
・・・・・・
とは言っても、イギリスについてそんなに詳しくないんです笑
…ただ、自分がはじめて行ったヨーロッパの都市は”マンチェスター”なんですよ。
今では圧倒的にパリの回数が多いんですが、初めてはマンチェスターでした。
20代の頃、その頃はプレミアリーグのマンチェスターユナイテッドに香川選手が所属していてどうしても見たかったんです…笑
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他の都市もいくつか候補に挙がりましたが、やはり行った事のある都市をテーマにしてみたかった…
そうして、イングランド北部の都市、“マンチェスター“を題材に今回の別注を構想する事に。
ロンドンから北へおよそ200マイル。
もともとは小さな地方都市に過ぎなかったこの街は、18世紀後半の産業革命を機に大きく姿を変える。
紡績機や織機の発明。
リヴァプールから運ばれる原綿。
鉄道と運河による流通の発達。
それらすべてが重なり、マンチェスターはやがて世界最大の綿産業都市、
“Cotton Polis”と呼ばれるまでに成長した。
労働者の街でありながら、ロンドンに高品質な衣服を供給していた場所でもあるんですよね。
ええ。その対比は面白いですね。作る側と消費する側。
当時の労働者達はロンドンに対して憧れと対抗心。両方あったんじゃないかと思っていて…
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20世紀前半、産業の最盛期。
雨の多いマンチェスターではレインウェア文化が発展していた…
その流れで生まれたのが、後のBARACUTA(バラクータ)。
そして、彼らが生み出した名品が“G-9”だった。
以前からいつかはと思っていたのですが、このタイミングはどうかと思いまして。是非この経年変化するレザーでG-9型をつくって頂きたいです。
以前もG-9の話したことありましたね笑
ただ、そのままやると、スポーティーに寄りすぎますね。特にリブと裏地。
袖口と裾のリブと赤チェックの裏地。ザ・おじさんになっちゃうんですよね笑
そこは自分も同意見です。
なら、思い切ってリブは排除しましょう。裾も袖もフラットにして、よりミニマルに。
いいですね。それなら、このシープの質感も活きる。
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そして…今回の大きな目玉となるもう一つの要素。
それは、裏地だった…
実は昨年イギリス国内のヴィンテージ倉庫の在庫を弊社が全部買い占めたんですよ。そして2月に札幌の倉庫に届きまして…自分も検品の手伝いに行ってきたんです。その中にすごい生地がありまして。
すごいですね。自分もその場に立ち会いたかったです笑
大量のヴィンテージに紛れていたのは、ロンドンのランドマークがプリントされたデッドストックの生地ロール。
ヴィンテージディーラー曰く1950年代頃のモノらしい。
ロンドン観光ブームの中で、フラッグ(旗)に使われる予定だったものではないかと推測。
これは、いいですねぇ。
マンチェスター発祥の代表作であるG-9にロンドン(フラッグ生地)を掛け合わせる…見えてきませんか?笑
笑
なるほど。
マンチェスターが。そしてそこで働く労働者達が。
ロンドンへの様々な思いを内に秘めている…
見えないところで、こっそりと。(笑)
1970年代、マンチェスターの綿産業は衰退し、街は不景気に沈む。
しかしその空気の中から、
後に、Joy Divisionをはじめとするポストパンクや、
Happy Mondays , The Stone Roses等のマッドチェスターと呼ばれるムーブメントなど、
独自の音楽カルチャーが生まれていく。
繁栄と衰退。
労働と文化。
憧れと反骨。
そうした複雑なレイヤーを持つ街だからこそ、今回のテーマに掲げる意味があるのではないか。
ロンドンの富裕層が手にしていたようなレザーを、マンチェスター由来のG-9に乗せる。
そして裏地でロンドンを忍ばせる。
ストーリーとしても、服としても成立していいですね。良いモノが出来そうです。
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そうして形になった、26AWの別注。
表に見えるのは、あくまでシンプルなレザーブルゾン。
しかしその内側には、ロンドンへの憧れを。
それをどこまで“服”として成立させられるか。
ついに完成しました。
名前はマンチェスターの略称と、BARACUTAの代表作G-9の創業年からとった、
【MCR – 37】
LOOK BOOKは次回のブログにて
Arch東京 小林



























