AMBITIOUS JACKETいよいよ発売。ARCH米村屋でお会いしましょう。

Share
this article

『MOJITO』を語る上で欠かせないキーワードがヘミングウェイである。だからなのか、デザイナーの山下さんがつくるアイテムはどれもどこかに漢らしさがプンプンと漂っている。それがMOJITOの服の魅力でもあり、骨太なアメリカンカジュアルを得意とする『ARCH米村屋』がセレクトしたアイテムともマッチするのだ。

そんないつものMOJITOのイメージとは、『AMBITIOUS JACKET』は少しムードが違う。何と言うか、体育会系というよりは文科系、今どきの若者ことばでいえば「いなたい」。漢らしさとは対極にある“NERD(ナード)”な雰囲気が漂う、いなたいホームスパンジャケットである。

でも、デザイナーの山下さんとお酒(モヒートじゃなくて熊本焼酎のお湯割り)を飲んだ時によく話すのだが、ヘミングウェイや、開高健、伊丹十三。僕たち男子が憧れてやまない作品を創った文豪や作家たちは、実は本当は案外みんなもの凄く神経質で、弱虫で、豆腐メンタルの持ち主だったんじゃないかと思う。漢らしさとは、そんな内面に秘めている女々しさもあってこそ本当の漢らしさだと思うのであります。

ナードなMOJITOの『AMBITIOUS JACKET』。さてどう着こなす。僕ならこう着こなしたい。街を歩いていてたまに見かける、服装なんかまったく気にしていないおじいさんが、やけに格好良くみえることがある。流行りの服なんてもちろん着ていないし、むしろ時代に逆行したサイズ感やシルエットのジャケットだったりするのに、何故だか格好いいのである。目指したのはそんな着こなしだ。

10年ほど昔、アイビーリーガーのキャンパスライフを撮った伝説の写真集『TAKEIVY』で紹介されているプリンストン大学に取材で行ったことがある。ちょうど春休みの時期でキャンパスに学生はあまりいなかったが、蔦の絡まる旧い校舎やモダンな時計台、クラシックなファザードの古本屋やお店が並ぶ学生街通り。そこで見た風景はTAKEIVYで見た写真と何ひとつ変わっていないのに感動した。

あの時にプリンストン大学のキャンパスで見かけた、おそらく教授だろう。着古したヘリンボーンツゥイードのジャケットに、毛玉だらけのシェットランドニットからチラリと覗く洗い晒しの白いBDシャツ、何でもないチノパンツに、いかにもアメリカの田舎のおじいさんが履いているような茶色いオックスフォードのシューズ。そうそう、あの感じだ。例えるなら、ウッディ・アレンのような80年代のニューヨーカーのナードな着こなし。あんな感じで『AMBITIOUS JACKET』を着こなしたい。

そうして街中を走るトラムに乗って、それこそ北海道大学のキャンパスを訪れてみたい。北大のキャンパスにある昭和4年に建てられた博物館は、綺麗な茶褐色のスクラッチタイルとテラコッタ張りのゴシック風な旧い建物で、“アーチ”型の重厚なエントランスが何ともモダンクラシックだ。『AMBITIOUS JACKET』のムードにもよく似合う。

本格的な雪のシーズンを迎えて札幌の街はますます寒くなってくる。ホームスパンのジャケットとはいえ、さすがに『AMBITIOUS JACKET』だけでは厳しい。あえて芯地を一切使わないアンコン仕立てにしたのはそこにある。これからの季節はレイヤードテクニック、重ね着を楽しめるからだ。

「ワイルドシック」というレイヤードテクニックをご存じだろうか。日本で最初のメンズスタイリストで、レイヤードのスタイリングの天才と言われる北村勝彦氏が、確か『POPEYE』の第3号で初めて見せたスーパーレイヤードコーディネートである。それこそ今では当たり前な着こなしだが、ジャケットやニットにマウンテンパーカーやダウンジャケットやダウンベストを合わせる。そんなコーディネートを最初にやったのが北村勝彦氏なのだ。

『シェラデザイン』や『ウールリッチ』のダウンジャケットやダウンベスト、ロクヨンのマウンパ(僕らの世代はマウンテンパーカーのことをついこう呼んでしまう)に、「タケ先生」こと菊池武夫氏がデザイナーだった時代の『メンズBIGI』や『バルビッシュ』といったデザイナーズブランド(この時代はまだDCブランドと言わなかった)の上質なグレイフラノのウールトラウザーズやフランネルの無地のオープンカラーシャツを合わせて、ニットキャップやロングマフラーを小物で使う。足元はワークブーツやスニーカーではなく、英国製のスゥエードのフルブローグやタッセルやデザートブーツだ。ワイルドなアウトドアウェアにシックなデザイナーズブランドのアイテムを合わせるスーパーレイヤードな重ね着テクニックは「ワイルドシック」と呼ばれて、当時のメンズファッションに衝撃を与えたのである。

『AMBITIOUS JACKET』のレイヤードテクの参考にしたいのは、まさにこのワイルドシックだ。例えばインナーにザックリとしたフィッシャーマンニットやガーンジーニットを合わせて、ニットキャップを目深に被り、『AMBITIOUS JACKET』の上からダウンベストを羽織る。いつもならパンツはジーンズやO.Dのファーティーグパンツを合わせたいところだが、ウールフランネルのパンツやコーデュロイパンツ、いい感じにアタリの入ったユーロヴィンテージのウエポンチノなんかもいい。今期のMOJTOから出ているコンバットウールの『ガルフストリームパンツ』もいいなぁ。足元はあえて不細工な顔つきの靴がいい。『ラッセルモカシン』のノックアバウトやトリプルソール、『レッドウィング』のオックスフォードに、分厚いウールソックスを履いたりしたらナードっぽくていい。

ちなみに北村勝彦氏は、取材で行った極寒の北欧の港町で見かけた漁師がダッフルコートの上からフィッシャーマンズニットを重ね着していて、「なぜそんな着方をしているのか?」と尋ねると、「こうして着たほうが漁をする時にダッフルコートの袖がじゃまにならないからだ」と答えたという。まさしくこれこそがレイヤードルックである。ファッションではなく実用のためにする重ね着こそが本当の意味でのレイヤードのスタイリングであると述べている。

さすがにダッフルコートの上からフィッシャーマンニットというレイヤードは難しいが、ときにはそんなセオリーを無視したアメカジの固定概念に縛られないプロのレイヤードテクも楽しみたい。例えば『エンジニアドガーメンツ』の鈴木大器氏は、ジャケットの下に本来ならニットを合わせるところをプルオーバーのナイロンパーカーなどをよく合わせたりしている。MOJITOの山下さんも、よくポリエステル素材のガルフストリームパンツを普段の着こなしに取り入れたりしている。

ちなみに『AMBITIOUS JACKET』は、ラペルを立てて第1釦まできっちりと閉めて着るとテーラードジャケットのムードがガラリと変わる。かつて「右岸のエルメス、左岸のアルニス」と謳われたパリの左岸の老舗『アルニス』で、建築家のル・コルビュジェが仕立てたハンティングジャケットをアレンジしたジャケットの名品『フォレステェエール』のようなフレンチカバーオールの顔つきに変わる。そんな、ユーロクラシックな着こなしも楽しめる。

コラムニストのいであつしと、『MOJITO』のデザイナーの山下さん、札幌の名店『ARCH米村屋』が素材にもデザインにも徹底的にこだわりまくって完成した、『AMBITIOUS JACKET』です。

おいそれと買えるようなお値段ではありませんが、ここでしか買えない、今しか手に入らないスペシャルなアイテムです。日本が世界に誇る尾州ウールで織り上げた最高品質のホームスパンジャケットは、10年先、20年先、50歳、60歳になっても着られるジャケットです。いろいろと蘊蓄を書いてきましたが、好きに自由に着こなして楽しんでください。

ローンチイベントのある12月16日(土曜日)、17日(日曜日)には、僕もAMBITIOUS JACKETを着てMOJITOの山下さんと、お店に立って皆さんをお待ちしております。それでは札幌でお会いしまSHOW!


明日、12/16(土) 11:00~からインスタライブも行いますので是非、ご覧くださいませ。コラムニストいであつし氏、MOJITOデザイナー山下氏も参加して頂きますので必見です。

いであつし×MOJITO×ARCH米村屋

AMBITIOUS JACKET

Color Brown

Size S , M , L , XL

Price ¥79,200- (in tax)

【商品ページはコチラ】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いであつし × MOJITO × ARCH 米村屋

AMBITIOUS JACKET LAUNCH EVENT

ローンチイベントは12月16日(土)、17日(日)の2日間ARCH米村屋にて開催いたします。当日は、いであつし氏、山下氏も在店し、皆様をお迎えいたします。両氏とも皆様にお会いできることを楽しみにしております。ぜひ、この機会にご来店くださいませ。

開催日時:2023.12.16(土)〜12.17(日)
開催店舗:ARCH 米村屋
札幌市中央区南4条東1丁目9-3米村屋ビル1F [Google MAP]
TEL 011-281-5560
MAIL yonemuraya@archstyle.tv
営業時間 12:00-20:00(水曜定休)
BLOG  https://archstyle.tv/yonemuraya
INSTAGRAM @arch_yonemuraya

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・