コーデュロイのジャケット
『(前略)服装はカジュアルに終始する。そこで選んだのはジーンズとコーデュロイ。ネクタイは一切おことわり。シャツはスポーツ・シャツ。冬になればクルーネックを着こむ。そうでなかったらタートルネックを着る。(中略)すべてを集めても以上は箱一つに納まり、十年間ぐらいは買いかえなくてもそのままでいける。』
(開高健「生物としての静物」, 集英社 , 1984年10月 , 79pより)
これは先日、Archの先輩から借りた書籍の一節。
この文章を読んだ時に今シーズンのとあるアイテムが頭に浮かんだ。
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秋冬に着るジャケットの素材として思い浮かぶコーデュロイ。
流行や時代を超えて、老若男女関わらず、コーデュロイで仕立てられたジャケットというのはいつだってクローゼットに入れておきたいアイテムです。
着始めに感じる高密度に織られたコットン特有のハリやコシ、それが着馴染んでいくと畝がつぶれ、自分の体に馴染んでいく。
肩肘張ることなく気楽に着古していくことで、あとは歳月が生地の質感を気ままに仕上げてくれる。
夏が終わり、秋の到来とともに少しずつ肌寒くなってくると、きまってコーデュロイのジャケットをクローゼットから引っ張り出してくる。
そうしていつしか自分にはなくてはならないジャケットになっていくのです。
今回、コーデュロイのスポーツコートをKENNETH FIELDに別注依頼をし、製作していただきました。
皆様の手元に十年間残るようなコーデュロイのジャケットを、、
Arch 小村