Maria Rudman

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Archではリングやブレスレットといったアクセサリーの類はあまり多く取り扱っていません。

入社当初の僕には疑問に思っていた事で、先輩方に質問したのを覚えています。

返ってきたのは、「単なる装飾品として着飾るというファッション的な意味合いではなく、お守りのようなモノを取り扱いたいという想いに基づいてセレクトしているから」

当時何の考えもなく某ラグジュアリーブランドのアクセサリーをジャラジャラと付けていた僕にはすごく刺さる言葉でしたね。笑

インディアンやトゥアレグ、アイヌといった先住民族。

彼らの文化は今でもその地域に根付き、彼らが生み出す伝統工芸品は今もなお変わらず存在し続けています。

サンタクロースの発祥とされている、北スカンジナビア・ラップランドの先住民族である”サーミ族”。

サーミ族を語る上で欠かすことのできない”トナカイとシルバー”
17世紀から続く伝統的な手工芸技術を用いて1点1点ハンドメイドで製作される”Maria Rudman”のアイテムには単なるアクセサリーとは異なるパワーが宿っています。

そして製作の背景にはサーミ族の伝統工芸と、その伝統的な技術を持つ極僅かな職人達を守りたいというマリアの強い意志があるのです。

前回のブログで触れた、Arch Sapporo10周年を記念して、Maria Rudman(マリアルドマン)に一度だけ製作していただいたモデルとは、デニムの生地を内側に用いたブレスレット。

ANATOMICA Sapporo スタッフ 伏見私物

上の写真は、10年前、ANATOMICAのスタッフ 伏見がお客さん時代に購入したものです。

ピューター(銀糸)が潰れ、鈍く光沢が増し、デニムの生地はとても綺麗な色落ちを見せています。

それもそのはずで…

Archでは馴染み深いBONCOURA(ボンクラ)のデニム生地なのです。
生地がほんの少し残っていたため、Arch20周年を記念し、10年ぶりに特別に製作していただきました。

従来のBONCOURAのデニムで使用されている生地と同じため、14.5オンスという肉厚な生地。
これを縫うのには、相当に骨が折れたと思います…。

Maria Rudman、そしてBONCOURA 森島氏の両者のご好意がなければ、存在しなかった思い入れ深いArchだけのアーカイブモデルです。

サーミ族が住んでいるのはツンドラ地帯で、永久凍土が広がる降水量の少ない地域です。

その為、花や草木などの植物が育ちにくい。

花が育たない場所に住んでいるからこそ、少しでも気持ちが明るくなるように、自分たちの模様に花というのを大事にモチーフとしているのです。

色が鮮やかなロープは、大地の恵みをイメージし、
太陽 大地 海を表現しています。

そして今回、Maria Rudmanのご好意でもうひとつブレスレットをご用意することが出来ました。

サーミ族の生活の一部であるトナカイのレザーとピューターと呼ばれる銀糸で作り上げられる作品こそ、Maria Rudmanのアクセサリーです。

ピューターとレザーのコンビが特徴的であり、ピューターの柄には、サーミの伝統と自分達の表現が含まれています。

今では職人の減少により、今回の内側にフェルトを施したタイプ(オーセンティックライン)を製作できる職人はその中でもごく一部だそうです…。

コロナ禍以来、一度も入荷がなかったため、Maria Rudmanの入荷自体がおよそ4年ぶり。

様々な技術が進歩する中で、このような伝統工芸が失われつつあるのが今の現状です。

まだまだお話ししたいことは山ほどありますが、それは直接お伝えさせてください。

Arch  荒