いであつし氏によるブログ VOL.1

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いであつし×MOJITO×ARCH米村屋

『AMBITIOUSJACKET』いよいよ発売!

ARCH米村屋のブログをご覧の皆さん、初めまして。コラムニストのいであつしと申します。このほどご縁をいただき、ご存じ”MOJITO”のデザイナー山下裕文さん、そしてARCH米村屋さんとのトリプルコラボが実現して、”AMBITIOUSJACKET“を発売させていただけることになりました。そこでこちらのブログで3回に渡って、“AMBITIOUSJACKET”についてコラムを書かせていただきたいと思います。

本当にお伝えしたいこだわりのディテールや蘊蓄が山ほどある、他では手に入らない買えないスペシャルアイテムですが、まずは、AMBITIOUSJACKETはいかなる経緯で生まれたのか。そこからお話しましょう。

話は今年の春に遡る。東京の渋谷で喫煙ができる数少ないクラシックな喫茶店。そこに僕コラムニストのいであつしと、MOJITOの山下さん、東京に来ていたARCH代表の山内さん。服好きなオヤジたち三人が集まって、煙草をスパスパやりながら、「何か面白いことができないか」と、ああだこうだ与太話をしていたのであった。

実は山下さんとはこれまでに2度、雑誌『Begin』とコラボをしてMOJITOから文豪シリーズという別注企画でシャツジャケットを作らせてもらった。

文豪シリーズは、モノ書きを生業にしている僕がおそれ多くもヘミングウェイを同業者としてリスペクトして「MOJITOといえばヘミングウェイ。じゃあ日本でヘミングウェイといえば?」という、僕の軽薄な思いつきに山下さんが「面白いですね~」とのってくれて生まれた企画であった。作家の開高健が趣味のフィッシングで着ていそうなバファロープレイドのシャツジャケットを作ったり、調子にのって春夏には映画監督の伊丹十三が着ていそうなシノアジャケットを作ったりしたのだ。

そんな話をしていたら、なんとARCHの山内さんが「面白そうですね~。ARCHでも何かやりましょうよ」と、僕の酔狂な与太話にのってくれたのだ。

僕はそんな遊び心を持っているいい大人の男たちが大好きである。そもそも山下さんが手掛けるMOJITOの服が大好きなのも、デザイナーの山下さんがそんな遊び心を持ったいい大人の男だからだ。

それこそヘミングウェイは、服好きな男なら誰もが憧れるお洒落で大人の遊び心を持ったいい大人だったと思う。

だからこそ、ヘミングウェイをコンセプトやテーマにしたメンズアパレルブランドが多いのだ。

でも、ヘミングウェイが書いた小説の中に出てくる殺し屋が着ていたかも知れないコートや、ヘミングウェイが小説を書いていたロッジのルームナンバーを冠したジャケットや、ヘミングウェイが恋人とフィッシングをした時に乗っていた船の屋号のビーチシャツなどなど、山下さんの憧れと妄想と遊び心からデザインされるヘミングウェイをコンセプトにしたブランドなんて、まず他にない。しかもデザイナーの山下さんは年々、顔がますますヘミングウェイに似てきている(苦笑)。

僕も誰かれなしに酔狂な与太話をするわけじゃあない。山下さんなら絶対面白がってのってくれて、一緒に遊んでくれるだろうと確信してコラボ企画をお願いしたのだ。

どうもなんだか同じ雰囲気がARCHの山内さんにも臭う。今どき、喫茶店や飲み屋で巻き煙草をチマチマ巻きながら嗜む男を、僕は久しぶりに見た。確固たるこだわりとスタイルを持っているいい大人のオヤジで、ちょっと格好いいじゃないですか。憧れちゃう。年下だけど(苦笑)。

こう見えて僕は山下さんや山内さんよりも少し年上の服好きオヤジで、80年代~90年代の東京のインポートカジュアルショップの歴史もリアルに体現してきている。

山下さんのプロフィールに必ず記される、かつて名物プレスとして勤めていた伝説のインポートセレクトショップ『プロペラ』にも行った。当時買ったパタゴニアのアロハ柄のダックビルキャップは今も愛用しています。

それ以前の80年代の渋谷界わいに続々とできた、『ネペンテス』の清水慶三さんや『エンジニアドガーメンツ』の鈴木大器さんが接客をしていた『ナムスビー』や『レッドウッド』、おそらくギャップのポケTやパタゴニアのシンチラやRRLを最初に扱い、本国から視察に来たラルフローレンのスタッフから「うちは渋谷で店を出していたのか」とまで言わせた、中曽根信一さんがやっていた伝説のインポートカジュアルショップ『ラブラドールリトリーバー』や、NYのハードウェアショップのようなバンソンやショットのレザーウエアの臭いが一年中プンプン匂っていた『バッグドロップ』にもよく行っていた。

僕はこの時代に渋谷や原宿のインポートカジュアルショップが提案していたアメカジスタイルは、今や世界的にトレンドになっている「AMETORA」とは似て非なる『AMEKAJI』として、やはり日本が生んだ新しいカルチャーだと思う。実際、NYやLA、ロンドンやパリ、ソウルなどには、当時の渋谷や原宿にあったインポートセレクトカジュアルショップのような個性があって癖ツヨなAMEKAJIショップが続々とできている。

世界中どこのショップでも共通しているのは、僕よりもうんと年下の若いスタッフたちが、僕たちの世代よりもAMEKAJIをものすごく勉強していて、ものすごく熱いことだ。彼らと話をすると「あの時代のあのお店で売っていたあれはどうやって着ていたんですか?」とか、「あの時にあったあのブランドのあれはどんな生地だったんですか?」とか、もう本当に矢継ぎ早に質問される。

MOJITOの山下さんと同じく、遊び心を持ったいい大人の山内さんが率いるARCHもそうだ。特にこの度コラボをさせていただいたARCH米村屋のスタッフには、80年代~90年代に日本で生まれたAMEKAJIのスピリットを愛してやまない、ファッションに対しての熱い志がプンプン匂ってくる。臭いくらい匂ってくる。

そんな降り積もる雪をも溶かしてしまいそうな熱くて勉強家なARCH米村屋のスタッフと、このブログを欠かさず読んでくれているARCH米村屋とMOJITOファンの皆さんを満足させるジャケットが完成しました。その名もAMBITIOUSJACKET。北海道開拓の父、ウィリアム・スミス・クラーク博士の有名な台詞「Boys,Beambitious」に敬意を表して名付けました。AMBITIOUSには「野心的な」、「野心を持って」という意味合いもあります。その全貌は、次回で詳しく!

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いであつし × MOJITO × ARCH 米村屋

AMBITIOUS JACKET LAUNCH EVENT

ローンチイベントは12月16日(土)、17日(日)の2日間ARCH米村屋にて開催いたします。当日は、いであつし氏、山下氏も在店し、皆様をお迎えいたします。両氏とも皆様にお会いできることを楽しみにしております。ぜひ、この機会にご来店くださいませ。

開催日時:2023.12.16(土)〜12.17(日)
開催店舗:ARCH 米村屋
札幌市中央区南4条東1丁目9-3米村屋ビル1F [Google MAP]
TEL 011-281-5560
MAIL yonemuraya@archstyle.tv
営業時間 12:00-20:00(水曜定休)
BLOG  https://archstyle.tv/yonemuraya
INSTAGRAM @arch_yonemuraya

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