SOLNORD
SOLNORD( ソルノール )についての紹介はArch TOKYOのブログやArch SAPOOROのブログでいくつか記述していますので、
本ブログでは私(柳田)の思うハンドメイドとSOLNORDの魅力ついて記述していきます。
少し長くなるかもしれません。
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人が紡ぐ
私はこのArchで洋服屋になる前は、マシンエンジニアをしていました。
思えば、モノづくりは父の影響で物心着く頃から興味があった気がします。
その後高校からつい最近までの約10年程度は職にする為、又職としてずっと携わってきました。
私が学生時代に習ってきた事、職としてやっていたことは生産工場の効率化や商品の精度を上げること、自動化に繋がるようなことでした。
そんな現場を目の当たりにし、ふと過った不安のような寂しさのような疑問を当時の社長に尋ねました。
“一つの機械によって精度が高く大量生産ができるようになれば、自動化が進みいつか人の手でやっていた職がなくなっていくのではないか。”
それに対する問い返しが今の自分の価値観に影響するものでした。
“目の前に二つのテーブルがあったとして、一つは全て機械が作ったもの。もう一つは全て職人が作ったもの。どちらも価格は同じだとしてどちらを買いたいと思いますか。”
という返答です。
職人が作ったものを買いたい。
そう答えると、
“仕事の在り方が変わっていっても、人の手がなくなることは絶対に無い” とその後に言っていました。
このブログを読んで下さってる方はどうでしょうか。
なぜ、人は人が作ったものに魅力を感じるのでしょう。
先日、Arch 米村屋で開催されたNORTH WORKSのイベント時に来札された際にデザイナー太田氏がご厚意で喫茶店に連れて行ってくださいました。
たまたま葉巻に私が興味を持ち始めタバコ屋のスタッフさんに推まれるがまま購入した事、太田氏が葉巻の愛好家であることもあり葉巻の魅力について教えていただいたのですが、
“何故人の手で作られたものに魅力を感じるのか”への自分の中での考えが確信のものとなりました。
一級品の葉巻は香料などは一切使わず、職人が葉本来の香りをブレンドし一本一本丁寧に仕上げているそうで、葉巻を炙り煙をふかすと今までタバコでは感じ得なかった文では表現できない風味を体感しました。
機械巻ではなく、人の手によって一から製作したものの違いを実際に体感できたのはこの先、人生の価値観において大きな分岐点になったのは明白なものでした。
人が手で製作するものは数値にするには勿体無い、不明瞭な魅力があるのだと考えています。
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SOLNORD
人の手で製作されるものの価値は、計り知れない魅力があります。
SOLNORDで製作されるニットウェアは、羊を育てる農家や羊毛を糸にする工場、糸を用いて洋服にする編み手など決して一人では作り上げる事のできない繋がりを持って織りなされるブランドです。
北海道羊毛の生地向きではない糸の性質を見抜き、生地に適した糸へと時間と労力をかけて完成に至らせた執念ともいうべきデザイナー石谷氏の思いの強さは、SOLNORDの洋服に袖を通した時に感じていただけるはずです。
近日公開予定であるGUERNSEY SWEATER ( ガンジーセーター )についてのブログでも触れるのですが、
細かい仕様への拘りが元来ストレスとなっていた着心地を解消し寧ろ快適なものへと昇華していることも石谷氏の妥協ない思いを感じられます。
編み手によって感覚や長さの測り方が異なる(編み目なのかcm(センチ)なのか)など対人だからこそ難しい部分もあったと石谷氏は話していました。
それでも、理想とする洋服へと至らせる為留まる事なくコミュニケーションをとりこれ以上無いと胸をはって言えるものとなりました。
人が紡いできた文化と技術を以って織りなすSOLNORD。
昔、現代より潤沢な環境下ではなかった時代で暗い中でも前後ろ関係なく着用できて丈夫かつ暖かい洋服を当時の職人たちが知恵を絞りあって導き出し、製作した洋服GUERNSEY SWEATER ( ガンジーセーター )。
次回のブログではGUERNSEY SWEATER の歴史的背景とSOLNORDが製作したGUERNSEY SWEATER について、
そしてArchの提案するガンジセーターのスタイル。
“GUERNSEY SWEATER × WORK JACKET“
是非ご覧ください。
Arch sapporo 柳田