S.E.H KELLY Burlap Linen
生地からパーツ、縫製までの全てを一貫して「イギリスメイド」にこだわり、洋服を製作する稀有なブランドである
S.E.H KELLY(エスイーエイチケリー)。
毎シーズン、魅力的な生地達が私共を魅了してくれるのですが、今回その中でもただならぬオーラを放つ生地があったのです…。
Burlap Linen (バーラップリネン)
ずっしりとした重量感と、ざらつきがあって荒々しく、握ると押し返してくる感覚
そんな生地に心を奪われました。
老舗の北アイルランドの工場で織られた”Burlap (黄麻) Linen ”
この工場は、「リネンポリス」と呼ばれ、1800年代末に設立しました。
歴史を持つ現存する工場のひとつであり、高級リネンの織り、染め、仕上げといったその技術の高さを物語っています。
厚手で耐久性のある素材感ですが、それに加え、通気性に優れ1年を通して快適に過ごせるのです。
今回、このBurlap Linenに取り憑かれ、つい2つのモデルをオーダーしてしまいました…。
Field Jacket
Color Linseed
Size S, M, L
Price ¥140,800 (inc tax)
このフィールドシャツの一番の特徴は、肩、腕にも縫い目がない事です。
そしてセットインでもラグランでもありません。
特殊なフリーダムスリーブによって、着る人の肩に柔らかく自然にフィットし、綺麗なシルエットを描きます。
生地自体の重さはありますが、着るとその重さが感じなくなるくらいに重みが分散されるのです。
襟は、チンストラップ仕様となっており、風が強い日には重宝します。
襟を立たせて、その上からスカーフを巻くのもお勧めのスタイル。
フロントを開けて着る際は、ストラップが収納出来るように、反対側にもボタンが付属しています。
ボタンで留めなくても、モタついてしまう程、長くはないので、そのまま留めずに着てしまっても問題ありません。
使われているボタンも勿論イギリス製です。
英国の工場にて、切断、成形、研磨されたホーン(角)ボタンは、つや消し仕上げのマットな質感。
金属のリングで取り付けられている、所謂チェンジボタンです。
ブリティッシュヴィンテージのワークウェアにも用いられますが、こういったディテールには、つい惹かれてしまいます。
チンストラップ、チェンジボタン
胸の2ポケットや幅の広いカフス…
ここまでくるとシャツという名称ではありますが、ほとんどジャケットという感覚。
実際にこのフィールドシャツは、シャツ工場ではなく、ロンドン北部のコート工場で作られています。
その工場で手がけている最もヘビーで頑丈なアウターウェアと同じ基準で、パイピングの処理など構造も同じです。
実は、リネンとウールとの相性は、とても良いのです。
それは、温度調整としても、ファッションとしても。
今の少し肌寒い時期は、LEMMERMAYERのアルパカカーディガンや、ハイゲージのニットを合わせて、この時期にしか出来ないコーディネートを楽しみましょう。
春先はバンドカラーシャツにリネンキャンバスのセレモニートラウザーズ。
CPOシャツ感覚で、ヘンリーネックを合わせてラギッドにしても良い。
秋口に、シェットランドウールや、フランネルなんて合わせたら、とても洒落ています。
その頃にはきっと、しっかりシワも入って、クタッと良い表情になっているんだろうな。
既に秋までの妄想は、膨らんでいます。笑
Balmaccan
Color Porridge
Size S, M, L
Price ¥173,800 (inc tax)
私的S.E.H KELLYの代名詞的存在です。
「イギリス製のバルマカーンコート」
その響きだけでも魅力的ですよね。
バルマカーンという名称は、スコットランドの地名が由来です。
かつてシューティングやその 他のカントリースポーツを楽しむ場として有名だった森林地帯があります。
それこそがバルマカーンなのです。
肩はラグランスリーブ仕様。
コートの下にセットインのジャケットを着ても窮屈にならず、オーバーコートとしての役割を果たしてくれます。
肩に悩みがある方も綺麗にコートを着ることが出来ますよ。
S.E.H KELLYの洋服を見る際には、是非肩のディテールに注目してみてください。
ポケットは貫通式となっており、コートの下に着ているジャケットやトラウザーズにアクセス可能。
従来の貫通式ポケットよりも大きく、携帯電話やお財布などの身の回り品を入れても余裕があります。
またポケットに蓋が付いている為、物を落としてしまう心配がないのもポイントです。
そして何より、歩いた時に生地が揺れ、美しいラインが生まれるのがこのコートの真骨頂。
どの角度から見ても、惚れ惚れしてしまいます…。
今回ご紹介したBurlap Linenは、重量感のある生地ですが、不思議と着た時に重たさを感じないのは、S.E.H KELLYの仕立ての良さを物語っています。
サヴィルロウで培った技術によって生まれるその着心地の良さは、袖を通さないと実感出来ません。
実際に触れて、着て、共感して頂けたら何より嬉しいです。
ARCH 市電通り 荒