FRENCH CORONIAL TROUSERS というパンツ。
パンツ。
スタイルを組む上での1番の“バランサー”だと思っている。
パンツに拘り出すと、正直キリがない。
生地やシルエットはもちろん、股上の深さ、ワタリ、裾幅。
股下の仕上げ方や、ほんの数センチの長さの違いで、全体の印象は驚くほど変わってしまう。
いわゆる誤魔化しがきかない。

トップスよりも目立たない存在なのに、実は一番“全体を左右している”のがパンツなのかもしれない。
これら全部が絡むから、パンツは一番“沼”が深い。
そう、その“沼”にハマるともう抜け出す事ができない、、、。
そういう言い伝えがあるとかないとか、、、
コレはそんな”沼”にハマった私のとっておき。

このパンツの元になっているのは、1900年初頭のフランス軍のミリタリーパンツ。
本来は実用を最優先に作られた、いわば“道具”のような存在。
そこに、ドレストラウザーズを思わせるグレーカラー。
ワークパンツのような佇まいを持つモールスキン生地を。

生地は、縦糸にコットン、横糸に梳毛ウールを使用。
モールスキン特有のハリと耐久性を持ちながら、どこか柔らかく、落ち着いた表情。
履き込むほどに生地は馴染み、パンツ全体の佇まいも少しずつ変わっていく。
その変化を楽しめるのも、この生地だからかと。

細部も抜かりなく。
ボタンもフレンチヴィンテージを彷彿するラッカーボタン。
腰まわり、ポケットにはC/L(コットンリネン)のブラックシャンブレーを。
勿論オリジナルで。

まさにこのパンツは、グレーのトラウザーズであり、ワークパンツであり、同時にミリタリーパンツでもある。
そんな曖昧な立ち位置を意図的に楽しむかのようなこの一本。

ミリタリーを土台にしながら、ドレスの落ち着きと、ワークの強さを加える。
トラウザーズの品の良さと、ワークやミリタリーの実用性。
そのちょうど中間にあるからこそ、日常で一番頼れる存在になる。
きちんと見せたい日にも、少し力を抜いて過ごしたい日にも、自然と馴染んでくれる。
特別な主張はしないけれど、穿けばきちんと格好いい。
“Archらしい”バランスが、素直に表現された一本です。
パンツは、拘れば拘るほど終わりが見えない。
だからこそ、最後は理屈よりも“穿いたときの感覚”を信じたい。
そしてまた”沼”にハマるのは仕方がない事なんだと。

MODEL / FRENCH CORONIAL TROUSERS MOLESKIN
COLOR / D.GREY
SIZE / S , M , L , XL
PRICE / ¥49,500- inc tax
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ARCH 東京 中田
















