TOM GRUAT × ARCH ”DOUBLE BREASTED LEATHER JACKET”

“Made in Paris”
今ではヴィンテージ市場にて球数が減ってきており、高値で取引されているダブルブレストのフレンチワークジャケット。
しかし着丈が短かったり、身幅が広いなどバランスが難しいものがほとんど…。
そんな中、世界的フレンチヴィンテージディーラー”TOM GRUAT”通称トムが所有するスペシャルピースには、ディテール、サイズ感、パターンやシルエットが完璧で最も秀逸とされる個体が存在します。

トムからのメッセージです。
I really like this jacket from my collection. I collect all kind of workwear made in Paris. This is a nice example of french workwear made by Maison Sergent. Pattern is great, garment very well constructed.
(私のもつコレクションの中でも、このジャケットが本当に気に入っています。
私はパリ製のあらゆる種類の作業服を集めています。
これはメゾン セルジャン製のフランスの作業服の素晴らしい例です。パターンは素晴らしく、衣服の造りも非常に優れています。)
そのスペシャルなパターンの個体を特別にサンプルとして拝借し、
当時の技法や染色方法を用いて、アーチの解釈で洋服を作り上げるという企画が”TOM GRUAT × ARCH”
この企画が成せるのもまず代表山内とトムとの関係性があってこそ。

秀逸なパターンをそのまま活かすため、要にもなる生地。
フレンチヴィンテージの代名詞でもあるリネンやリネン×コットン(メティス)等いくつかの生地や染色方法をサンプルまで進行していたのですが。。。
オリジナルの持つオーラを表現するにはどこか物足りなく、納得のゆくサンプルが仕上がらず断念。
そして今回、日本の伝統的な染色技術を持つ職人と、当時のフレンチブラックインディゴを表現する手段を用いて、レザーに染めを施すという今までにないアイデアが浮かびました。
実に4年ほど前から温めていた企画がこの21周年のタイミングで、お披露目となります。


選んだレザーは、耐久性に優れ、長年の経年変化も楽しめる国産のステアハイド。
ナチュラルタンニンで、原皮のまま革をほとんど漉いていないため、肉厚でずっしりとした重量と迫力ある質感。

当時の製作過程を踏襲し、染色は、全てハンドダイ(手作業)で行っています。
茶芯レザーにインディゴ染色をし、その上から追い染めで、柿渋染めを施す。
その後、鉄で媒染を行いこれらの工程により、インディゴを変色させる事で、ブラックインディゴを表現しています。
まだまだ工程のお話しをしたいのですがとても長くなってしまいそうなので、是非店頭にてお話しさせてください。笑
ブラックインディゴカラーに仕上がったレザー
茶芯が下地に残っているため、着込んで皺が入った時にどのような変貌を遂げてゆくのか。
ロマンも秘めたレザージャケットに仕上がっています。

裏地には、薄手でありながらもちっとしたブラックモールスキン。
古き良きブラックモールスキンを再現したオリジナル生地は、表地のレザーに負けない贅沢な仕様。
滑りも良いため、インナーに着るアイテムを限定してしまうことはありません。


このジャケットを製作するために、見つけ出した1950年代頃のデットストックボタン。
ブラックに塗装されたメタルボタンは、使いこむことで段々と剥がれ、レザーとともに育ってゆきます。


今回のボタンには、個人的な思い入れがあります。
今年の1月のパリ出張に同行した際、蚤の市の倉庫で見つかったボタン。
ファーストサンプルが出来上がった際、まだボタンが付いていなかったのですが、実際にボタンが付いて完成されたサンプルが届いた日、何だか感慨深かったですね…。


そしてお伝えしたいのが、当時の技法を用いて再現する「丸縫い」で作り上げられている事。
今では考えられないですが、かつてはミリタリーウェアやワークウェアであっても、テーラーリング技術を用いて一人の職人が一着の全工程を縫い上げる「丸縫い」という手法が用いられていました。
洋服然り、鞄や靴も各工程を分業でひとつの物を完成させるのが当たり前の現在となっては、ほぼ既製品では使われることのない手法。
肉厚のレザー、それに裏地のモールスキンを縫える工場がなかなか見つからず、実は何社か断られています…。
今回サイズサンプルをご用意し、オーダーをいただき、そのオーダー着数のみ職人ひとりが生産に取り掛かるため、20着限定生産となります。





決して現代の効率化された洋服づくりを否定する訳ではありませんが、今回のTOM GRUAT × ARCHも古き良き時代の技術や熟練した職人の手仕事によって生み出される洋服を時の技法を用いて再現しています。
日本の技術は世界に誇れるものであり、こういったことを世の中に伝えてゆくことが僕たち洋服屋の使命なのではないかと。
Arch 荒

TOM GRUAT × ARCH
DOUBLE BREASTED LEATHER JACKET
COLOR : BLACK INDIGO
SIZE : S / M / L / XL
PRICE : ¥330,000(inc.tax)
限定20着生産
※ オーダーアイテム1商品につき、内金として商品代金の50%または全額頂戴いたします。
※オーダー後のキャンセルは承りかねます。
※商品のお届けは11u月を予定しております。
入荷が多少前後する可能性がございますので、あらかじめご了承くださいませ。
※メールやInstagramのDMでもオーダーを承っております。
※東京地区では、Arch南青山にて2025.4.18-20の期間開催いたします。
詳しくは、Arch南青山のブログ、インスタグラムをご確認ください。
ご不明点がございましたら、ご遠慮なくお申しつけください。

Arch Sapporo 21th Anniversary Event 第一弾
TOM GRUAT × ARCH
SPECIAL ORDER EVENT
“DOUBLE BREASTED LEATHER JACKET”
DATE : 2025/3/28 (fri) ~ 2025/3/30 (sun)
<札幌市中央区南3条西8丁目11-4第一ビル1F/2F>