妄想の止まらないマドラスチェック。
インドで織られた本格的なマドラスチェックでありながら、墨汁でコーティングされている故、
淡い色のマドラスチェックとは違った良い意味で曖昧な雰囲気が、手に取る人の想像を掻き立ててくれる。
単なる暗い色のマドラスチェックとして片付けられない魅力がこのシャツにはあります。

MOJITO / ABSHINTH SHIRT Bar.2.0 墨汁マドラスチェック
COLOR / BLACK
FABLIC / COTTON
SIZE / M , L , XL
PRICE / ¥37,400- (inc tax)
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このシャツが本領発揮してくれる夏に向け、
購入した僕、小林目線で改めてご紹介させていただきます。
以前のブログでの話。
80~90年代以前にインドで織られていたマドラスチェックは、
藍やターメリック等の天然染料で染色がされていたため、色が脱落しやすかった。
洗う度に色が滲み、独特の淡い色味になることから”Breeding Madras” (泣きのマドラス)と呼ばれ、
戦後の抑圧から解放された自由なムードとエスニックな雰囲気漂いさらっとしていて着心地の良いマドラスチェックの風合いがマッチして、50年代、アメリカ東海岸の学生を筆頭にマドラスチェックのシャツやスポーツコートが流行した。


元々は南インド、マドラス地方の人々が着る日常着や民族衣装に使われていた格子柄に織られた布。
単糸で粗く織り上げた薄い生地なので、通気性抜群。

高温多湿なインドの気候でも快適に過ごせるように作られたものだから、
夏が始まったら中々終わらない日本の気候に合わないはずがないんです。
風吹けば、風が体を抜けるのをはっきりと感じられます。
日差しを浴びれば今まで見えなかった表情を見せてくれる。
洗いをかければ、ステッチ周辺にはパッカリングが生じ、
本来のマドラスチェックの柄が徐々に現れ、生地表面はやや起毛しガーゼのような質感に。


左:新品 右:小林私物
かれこれ十回以上は洗濯したでしょうか。
泣きのマドラスと呼ばれた当時のマドラスのように着用と洗濯を繰り返すことで、
見た目や着心地が良くなっていきます。
ここまでが以前のブログでもご紹介させていただいた、このアブサンシャツの好きなところです。

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そしてもう一つ、日々着用する中で感じたのは、クラシックなインドマドラスでありながら、
ダークトーンの味のある雰囲気がマドラスチェックの持つイメージ(アメリカントラディショナルやリゾートシャツ)に留まらず、僕の想像を掻き立ててくれること。
アイビーリーグの学生がチノパンやホワイトジーンズに合わせている姿。
ニューヨークのジャズマンがトラウザースに合わせてトランペットを吹いている姿。
(マイルス・デイヴィスもこのマドラスチェックなら着てくれるんじゃないかとか…)


西海岸の若者なら色の抜けたジーンズにコンバースかなぁ。
着ていくうちに色と色の境界が曖昧になってきて、
オンブレチェックにも見えてきたな、、、
そういう具合にこのシャツのことを考えていると勝手な想像が止まらなくなるんです。(笑)
つまりお伝えしたいのは、マドラスチェックから連想できるカルチャーに留まらず、
着るヒト次第で着こなしの幅が広がっていくということ。
これがB.Dシャツならまた違ったと思うし、
こんな想像ができるのも”アブサンシャツだからこそ”と思うんです。



もちろん、5Pジーンズやチノパンにシンプルに合わせるのも良いです。
でもその中に少しだけ”妄想”を入れてみるのはいかがでしょうか。
墨汁染めやマドラスといった単語から出てくるイメージは一旦置いといて、
まずはお店で羽織ってみてください。
Arch東京 小林