MSG&SONS / N-3 JACKET by 柳田
MSG&SONS / N-3 JACKETが初めてリリースされ、Archで展開し私自身も購入したのは今から約2年前の事。
Archに入社するまではミリタリーに対して特に興味を持たず、ドレスに近いスタイルが好きだった私にとってN-3 JACKETも全く興味がありませんでした…(笑)
Archのスタイルを学ぶ中で、ミリタリーというのは常に側にあるものだと代表の山内や先輩方のスタイルを見たり直接教えていただいたり今もまだまだ知らない事はたくさんありますが、理解を増やしていきました。
その中の一つの出来事として最もミリタリーの概念を覆し、避けていた状態から好んで着るという状態までに私自身の気持ちを変えてくれたのが、
N-3 JACKETでした。
N-3 JACKETの商品詳細につきましては、Arch米村屋のブログに記載されておりますのでそちらをご覧いただけたらと思います。
2年という短い期間ではありますが、今でも飽きずに着られているのには理由があります。
左が2年着用したN-3 JACKET、右が今作の未洗いのN-3 JACKET。
同じものとは思えない生地の柔らかさ、色味などの違いから代表山内に同じ生地なのか聞いてみたところ、変わっていないとのことでこんなに変わったのかと驚愕しました。
着れば着るほど色味や空気感というのが変化していき自分だけの唯一無二な洋服へと変わっていくのが露骨に感じられるので、いくら着用しても飽きることがないと思っています。
本物の鉄で作られた月桂樹マークのボタンも黒塗装が剥がれていき、鉄が錆びていくのも魅力の一つだと言えます。
高校から大学まで、工業で鉄加工をしていたのですがこの鉄ボタンについて僕の思う面白さを書かせていただきたいと思います…
世間一般で用いられる鉄というのは実際には鉄(Fe)と不純物(炭素)などが混ざったものを指していることが多いです。
純鉄と言われる鉄のみで構成された金属は錆び難いという特徴があります。
しかし、不純物の混ざった鉄は酸素と結合することで腐食し錆びていきます。
強度を増すという大きな目的も勿論あると思うのですが、当時の物資不足や潤沢な環境下ではない時代の生産などから鉄の量を増すというのも、もしかするとあったかもしれません。(あくまで推測ですが…)
技術力や運搬が当時に比べ飛躍的に成長した現代に置いて、鉄を用いずとも別の金属で(例えばアルミ)製作すれば腐食し難い金属なども存在するので腐食(劣化)を気にすることもなく着用できたはずです。
それでも本物のメタルボタンに拘ったのは、この金属で当時N-3 JACKETが製作されていたからです。
少しマニアックな話になってしまいましたが、本物を追い求め実現する姿勢にArch愛が増したのを覚えています…笑
グレートラウザーや、rdv o globeのようなデザイナースタイルにも幅広く順応して着用できます。
個人的に一番購入しようと思ったのは、襟を立てた時の格好良さです。
高過ぎない襟がやらしさを感じさせない絶妙な高さで、スタイルによって立てるのも個人的には好きです。
好きなスタイルに合わせて着方を色々変えてみるのも長く着たくなる理由の一つではないでしょうか。
Arch 柳田