OUTIL×ARCH SPECIAL EXCLUSIVE ITEM
フランス語で道具を意味する”OUTIL”
ブレることなく一貫してフランスをはじめとしたヨーロッパヴィンテージにルーツを持つ洋服を作り続けるブランドであり
古い作業着や戦闘服が持つ機能美をリスペクトし、あくまで”道具”として今の時代に合わせたモディファイを施し再構築したアイテムたちが特徴です。
昨年の晩夏、2023年の夏に向けて久々にOUTIL×ARCHとして別注アイテムを製作をしてもらえないかという話に。
約4年ぶりとなる別注アイテムに相応しいものにするためのヒントを探していたところ
「いつか使おうと思っていたスペシャルな生地があるよ。」
宇多氏が提案して下さったその生地とは・・・
1930~1940年代頃と推定される、リネンのブラックシャンブレー。このスペシャルな生地をフランスの工場で縫製して洋服を作る。
宇多氏がコロナ禍以前に渡仏中に見つけて購入したものの量も少なく何に使おうか悩んだまま寝かせていた生地だそうで、これを用いてOUTIL・ARCHらしさをどんな形にするのか。
丸襟のワークジャケットやサックコート型、はたまたパンツ…様々なアイデアを巡らせましたが、我々が目を付けたのが、謎の多き炭鉱夫たちのジャケットでした。
フランスとベルギーの国境付近に位置した炭鉱。
ここで働く炭鉱夫たちが着ていたジャケットは”COAL MINE JACKET”と呼ばれヴィンテージ市場でも人気のアイテムです。
しかしここ最近ではめっきり見かけなくなってしまいスペシャルヴィンテージとなりつつある1着。
また炭鉱夫たちがフランス人とベルギー人どちらだったのか、炭鉱の所有国がどちらかということがやや曖昧で
明確にフレンチヴィンテージあるいはベルギーヴィンテージと区別できないという面白い背景があります。
このような炭鉱夫たちが着ていたジャケットを、当時のリアルなファブリックでありその中でも特に珍しいリネンのブラックシャンブレーを用いて
フランスを愛し、フランス内でのモノづくりに造詣の深いOUTILが実現したら?ということで生まれたのが今回の別注アイテムです。
写真でもこの迫力ですが、実際に形になって届き実物を見たとき本当に痺れるような存在感で感動しました。
このレベルの生地を使って、フランス生産を行うということは後にも先にもこれが最後かも知れないと宇多氏も仰っていたことがよりリアルに感じます。
ここからはアイテムの特徴に触れていきます。
形状は極めてシンプルなのですが、炭鉱夫用のワークウェアならではの随所に用の美が盛り込まれています。
特徴的なのはフロントボタンが2つしかないという点。これも明確な理由が判明しているわけではないですが、恐らく作業中しゃがむことが多く動きやすくするためだと思われます。
もう一つが袖の付け方も炭鉱夫仕様になっており、荷車を押したり何かと腕を前にすることが多かったためその動作がしやすい袖付けに。
この2点はヴィンテージと同様の仕様を採用しております。
しかしそういったヴィンテージにおける意味のあるディテールや仕様はリスペクトし残しつつも
サイズ感や明らかに着ずらい部分などは雰囲気を損ねることなく、程良い塩梅でモディファイすることがOUTILの真骨頂でありARCHで展開する意味だと思います。
そうすることで存在感やどういった表現をしたいのかという信念はブレないですが、現代においてコスプレにならないという絶妙な作品になるのです。
日々フランス製やアメリカ製の良し悪しを店頭で語っていますが、今回の別注の製作にあたり我々スタッフも、その難しさや貴重さというものを改めて勉強することができました。
コロナ禍やウクライナ情勢、円安等の不況など。
現在の様々な厳しい社会情勢下でここまで贅沢なプロダクトを行えるブランドとショップは非常に稀有であり、故に素晴らしい別注アイテムが完成しました。
このブログ公開日である5/9にはOUTILデザイナー宇多氏とのスペシャル会談動画もYOUTUBEにアップロード予定ですので是非ご覧下さいませ。
次回のブログでは、よりアイテムにフォーカスしたスタイリングブログを投稿予定ですので、そちらもお楽しみにお待ち下さいませ。
ARCH TOKYO 小見野
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