OUTIL / TRICOT NAY
プレトンシャツ、マリンシャツ、バスクシャツ、ボーダーシャツ…
いちアイテムとして、この呼称の多さ。
かつてのボーダーは人とは違い忌み嫌われている者を視覚化しやすくするための柄であり、囚人や売春婦、死体処理人などが着用を義務付けられていました。
長らく続いたこの風習も18世紀に起きたアメリカ独立により一変します。赤白ボーダー旗を掲げ独立を勝ち取ったことで
それまで嫌われ者のレッテル貼りの為に使われていた柄が反逆や勝利のプロパガンダになったのです。
さらにその後に起きたフランス革命でも三色旗が使用され、自由の象徴としてもボーダーは意味を成すようになりました。
それ以降は、皆ご存知の通りマリンナショナルでもボーダー柄のシャツが採用されるようになり今日に至ります。
ARCH TOKYOとしては初めての取り扱いになる”TRICOT NAY”
1880年代から1930年代初頭にかけてMARINE NARTIONALEに納品されていたインディゴ糸によるバスクシャツがデザインソース。
定番のTRICOT AASTや以前ご紹介したTRICOT HABASと比べて身幅やアームホールが狭く、袖丈も9部丈と
程良いリラックス感を演出しており”OUTILのバスクシャツ”と言えばビッグシルエットというイメージが良い意味で覆る1着。
ボーダーの紺色はヴィンテージと同様にインディゴ染をした糸で織られており、着用と洗濯を繰り返していく毎に淡くフェイドしていく
インディゴ糸と柔らかさを増すコットンの風合いが絶妙な雰囲気を醸し出します。
SAINT JAMESやORCIVALといったバスクシャツの絶対的定番がある中で、シルエットのバランスや細かいディテールなどは
フレンチガーメンツにリスペクトを持ちながらあくまで今の時代に適った服作りをするOUTILならではのアプローチです。
古くは10世紀から今日に至るまで1000年以上に渡って様々な用途、シチュエーションで用いられてきたボーダーのシャツ。
パブロ・ピカソ、アンディー・ウォーホル、ココ・シャネル、セルジュ・ゲンズブール、アーネスト・ヘミングウェイ。
名前を挙げ出したらキリがありませんが、様々な歴代のファッションアイコンたちも袖を通してきたバスクシャツ。改めて新鮮な気持ちで是非コーディネートに取り入れて頂きたいです。
ARCH TOKYO 小見野
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