MSG&SONS / BAKER PANTS MADE IN USA

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“Less is more“(少ない方が豊かである)という言葉がありますが、
「軍パン」というジャンルの中で、最もその言葉を体現しているのが、
1950年代から1970年代にかけUS ARMYに支給されていた”OG107 Utility Pants”(通称ベイカーパンツ)だと思います。

機能性と耐久性、生産効率を両立させるため、余分なディテールを削ぎ落とし、
極限までシンプルに作られているが故、
癖がなく、何にでも合わせやすく、それでいてかっこいい。

僕、小林にとっても学生時代に購入したヴィンテージをお直ししつつ、
今でも何を穿くか迷った時、つい手を伸ばしてしまうパンツの一つです。

近年は良好な状態や理想的なサイズのオリジナルを手に入れるのが非常に難しくなってきており、
そんな中、私たちは「オリジナルが手に入らなくなっても、その魅力を永く伝えたい」
という想いから、ヴィンテージのディテールを徹底的に研究し、試行錯誤を重ねて作り上げたのが、
MSG & SONS / US ARMY BAKER PANTS】。

今年もアメリカより海を渡ってArch東京に入荷してまいりました。

MSG & SONS / US ARMY BAKER PANTS
Color / Olive Drab
Size / 30 , 32 , 34 , 36
Price / ¥46,200(inc tax)

生地は50年代当時のベイカーパンツを解体し、織組織を研究、
糸から再現されたコットンバックサテンを使用しています。

左:スタッフ私物(着用1年) 右:新品

使い込み洗いをかけるほどに風合いが増していき、ヴィンテージさながらの雰囲気に。

僕がArchに入社した半年前、常連のお客様が穿いていたベイカーパンツの雰囲気が凄まじく、
「これはヴィンテージですか?」と伺ったところ、
「いや、ここで買ったArchさんのものだよ」と仰られとても驚いた記憶があります。(笑)

また、今回のモデルは縫製糸もオリジナルに近い糸を日本からアメリカへ輸出し、
より当時の雰囲気に近づくようアプデートしています。

すっきりとした腰回りに対し、程よくゆとりがある渡り幅。
ややテーパードしたシルエット。

50年代のベイカーパンツに見られるディテールをリスペクトしつつ何度も修正を繰り返し生まれたシルエットは唯一無二の一本になっています。

また、パタンナーが手作業でパターンを引くことにより、
使い込むことで生まれるポケットの歪みや微妙な曲線等、
偶然の産物から生まれたヴィンテージ特有の雰囲気を、緻密なパターンメイキングで再現しています。

世の中にベイカーパンツと呼ばれるものは数多くありますが、シンプルなものだからこそ違いが出るのはそういった細かな部分だと思います。

冒頭の”Less is more” という名言を残した建築家ミース・ファン・デル・ローエは、
“God in the detail “(神は細部に宿る)とも言っていますが、
このベイカーパンツはまさにそれです。

店頭でスタッフのUSEDサンプルもご覧いただけますので、
ぜひ見て、穿いてその良さを感じていただければ幸いです。
(最近は「ブルータリスト」という、ユダヤ人建築家の映画の公開を心待ちにしており、”Less is more”がマイブームです!偉そうに使ってすみません! )

Arch東京 小林
Instagram:@arch_kobayashi