FRENCH COLONIAL JACKET & TROUSERS 「季節のあいだにある服」

Share
this article

春の訪れはどこからだろう。

桜の蕾がふくらみ始めたとき。

陽の当たる場所に、つい立ち止まりたくなったとき。

無意識に、軽い素材の服へ手が伸びていた朝。

ジャケット一枚で外に出られることが、妙に嬉しく感じた日。

季節は、気づかないうちに進んでいる。

装いもまた、それに合わせるように少しずつ変わっていく。

重ねることから、抜くことへ。

ウールから、コットンやリネンへ。

このセットアップは季節の変わり目を感じさせてくれる1着。

Arch
FRENCH COLONIAL JACEKT METIS
FRENCH COLONIAL TROUSERS METIS
“Black Indigo Metis”

Metis(メティス)と呼ばれる生地。

コットンとリネンを交織した、フランスのワークウェアに見られる素材。

柔らかさと、シャリっとしたドライなタッチ。

相反する要素が混ざり合うことで生まれる、独特の質感。

どちらかに寄りすぎない、この“曖昧さ”に心地の良さを感じる。

気負わず着られて、それでいて軽くなりすぎない。

今の季節にちょうどいい理由は、この生地にある。

さらに、この生地にはもう一つの魅力がある。

色だ。

インディゴで染めた上から、柿渋で追い染めを施し、

鉄で媒染することで完成した“ブラックインディゴ”。

単なる黒ではなく、青みを感じる、奥行きのある色。

まるで夜空のようなそんな色。

日中の光ではわずかに青く、

夕方には柔らかく沈み、

夜には静かに黒へと近づいていく。

同じ一着でも、時間とともに表情を変える。

ジャケットはフロント4ボタン。

前振りの袖付け、適度なシェイプ。

ボタンの止め方で印象も変わるVゾーン。

裾に向かって描くAラインシルエット。

斜めに低くくつけられた左胸のポケットと、丸みのある小ぶりな襟形。

フレンチヴィンテージらしいクラシックなディテールを踏襲しつつも、

モダンに昇華された1着。

トラウザースはフランス軍の名品M52トラウザースの原型となったモデル。

1タックのストンと落ちるストレートなシルエット。

今回のトラウザーズこ細部も抜かりなく。

ボタンもフレンチヴィンテージを彷彿するラッカーボタン。

腰まわりやポケットにはコットンリネンのブラックシャンブレー。

履き込むほどに生地は馴染み、色も変わる。

パンツ全体の佇まいも少しずつ変わっていく。

その変化を楽しめるのがArchの真髄。

素材も、色も、デザインも。

どこかの“あいだ”にある。

その今の気分にしっくりくる。

ジーンズもチノパンにもしっくりくる。

そしてこの“あいだ”の季節が好きになっていく。

ARCH 東京 中田