AUBERGE / CURTISS

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Archではミリタリーを創業当初から今に至るまで長く取り扱っています。

デザイン性が重要視された洋服が普及している現代において、機能性を重要視されるミリタリーを取り扱い続けるのには理由があります。

ミリタリーやワークというのはある特定の任務を果たさなければならないお題がありながら、時代時代の厳しい状況や戦時下での物資統制等があり、潤沢に良いものが使えない状況下で高い技術や効能を求められる。

その中で、人間の知恵を最大限に絞り生み出されるアイテムというのは本当に素晴らしいものである為、Archでは変わらず取り扱い続けているのです。

今回ご紹介する、”AUBERGE”の”CURTISS”は時代背景を深くまで紐解き、当時のルーツをデザインはもちろん、染色に至るまで表現に拘った商品であり私たちArchがお勧めしたい一着でございます。

AUBERGE / CURTISS
COLOR / BRUSHSTROKE CAMO
SIZE / 40, 42, 44
PLICE / ¥66,000- in tax

カモ柄デザインの最初期は洋服ではなく、1910年頃戦艦や要塞などに施されており白黒のデザインで、人間の目の錯覚を利用して距離感を狂わす事を目的に発案され、それが迷彩柄の事始めと言われています。

洋服に迷彩が採用され始めたのは1930年頃のドイツ兵が使っていた瓦礫迷彩。

今回のAUBERGEの迷彩柄はそれから約10年後の1942年、第二次世界大戦時中に英国にて採用された、ブラッシュストロークカモ。

この迷彩がイギリスの最初の迷彩パターンと言われています。

ブラッシュストロークカモのビンテージは極少数であり、現代においてこの迷彩柄を採用した洋服を製作しているのもあまり見受けられないことから、更に興味を唆られるデザインだと個人的には感じています。

テキスタイル的に当時どのように作られたか全く分かり得ない摩訶不思議な技法からこのブラッシュストロークカモは出来上がっており、世界中のマニアからカルト的な人気を博しています。

その不思議さというのは大きく分けると
①「本来連続柄のはずの迷彩なのに柄のリピート性がない」
②「何から隠れようとしているのか全く分からない模様デザイン」
以上の2点が挙げられます。

今回のCURTISSはこの2つの不思議なデザインポイントとしてテキスタイルを開発。

①のリピート性のない大きな柄は、一辺が130cmほどのスカーフを作る要領で型を作成しダイナミックな伝統のブラシの擦れ柄をグラフィック化することで再現。

②の不思議なデザインについては表面に迷彩柄をプリントした後、ハワイアンシャツのレインスプーナーの様に裏から染料でべたプリントを入れてその表への染め出し、滲み効果で全体の古着感、馴染み感を演出し表現されており、
アートテキスタイルをイメージしたファッションとして成立するAUBERGEらしい色合いに仕上がっています。

AUBERGEのCURTISSのデザインベースは1943年に製作されたウィンドプルーフスモック。

オリジナルがかぶりデザインなので、ゆったりとした着用感が再現されており、着用時のストレスを感じさせないシルエットとなっています。夏場ではショーツにサンダルを合わせてラフなスタイルでも着用したくなりますね。

ARCH STELLAR PLACE staff 柳田
身長 171cm
体重65km
着用サイズ40

テーマはフレンチカジュアル。

CURTISSをベースにいかにフレンチに、且つCURTISSのゆったりとした着心地の良さからカジュアルにスタイルを組むか考えました。

パンツは、デザインソースがアメリカのパンツでありながら、カラーリングがフレンチを彷彿とさせるANATOMICAのMCQUEEN PANTS。

これに革靴を合わせようかと思いましたが、休日にふらっと出かけるくらいにも丁度良いゆったりとしたシルエットのCURTISSに合わせるならWAKOUWAのWHITE×WHITEカラーが良いと思い、この靴を合わせました。

フレンチ感が少し足りないと感じたので、バスクベレーを最後に合わせて、今回のテーマであるフレンチカジュアルを再現しました。

ARCH STELLAR PLACE staff 齋藤
身長 168cm
体重60km
着用サイズ40

イギリス軍のスモックベースのCURTISSにあえてドレスのパンツを合わせ、ミリタリーアイテムを”らしくなく”着ることを意識しました。

野暮ったくなりがちな軍モノですが、着こなし次第で色々な表情を見せてくれると思っています。

こういった相反する用途で使われていた洋服をスタイルとして着ることも洋服の一つの楽しみであり、ARCHの面白いところでもあるのではないでしょうか?


レアミリタリー・レアフレンチというテーマに今回作成されたAUBERGEの23SS。

この意味合いは冒頭にも記載した潤沢に良いものが使えない中で、人間の知恵を最大限に絞り出し製作されたものは非常に良いものだが、製作者側の思いが濃すぎて当時受け入れられなかったものが多数存在する。

これをプロダクト側から紐解いていくと非常に興味深く、面白いものでありこのラインナップを”レア”と名付け、今回のテーマとしたと小林氏が述べていました。

拘り抜いた一着を是非お試しください。

ARCH STELLAR PLACE 柳田