M-1965 BLACK PARKA / MSG&SONS
フィッシュテールパーカを語る上で避けては通れないカルチャー”モッズ”。
モッズはイギリスの若い労働者の間で1950年代後半から1960年代中頃にかけて流行した音楽やファッション、それらをベースとしたライフスタイルとその支持者のことを指します。
“さらば青春の光”などの映画が作られる程、一大ムーブメントを巻き起こした”モッズ”で着用された洋服たちは元々アメリカで扱われていたミリタリーアイテムであり、それを英国で愛されたという背景は、現日本のファッションスタイルの考え方に通ずるものがあるのではないでしょうか。
前作のオリーブカラーに続き2作品目となるARCHオリジナルM-1965 PARKA。
アメリカらしい佇まいでありつつ、どこかフレンチさを彷彿とさせるコンチネンタルな仕上がりとなりました。
私自身M-1965 PARKAといえばoliveというイメージが根強くあったことから、先日ARCH代表山内に「なぜ黒を作ったのか」という質問をしました。
答えは単純で「自分が着たかったから」というものでした。
今より約2年前にサンプルを製作しており、周りからの評判がよかったので製品化したというARCHらしい背景を持って生まれたM-1965 PARKAですが、当時のサンプルではジッパーの部分がゴールドで、敢えてアルミに変更しシルバーとして製品化いたしました。
ブラックカラーというエレガントな色合いの中に、敢えてチープなアルミ製のジッパーを加えることで大人の余裕のようなそんな雰囲気を感じます。
生地の選定からディティールに至るまで余すことなく突き詰められたARCHオリジナルのM-1965 PARKA。
敢えてモディファイドをせず当時と同じパターン、生地で仕上げています。
後染めされたマットなブラックカラーこそアメリカとフランスがミックスしたようなARCHらしい仕上がり。
モッズカルチャーの禍中でも同じようなことを考える人がいたのではないかと想像も膨らみます。
着込むほどに墨黒のような少しグレーがかった雰囲気となり、育っていく様子を楽めるという点も魅力の一つであります。
ベイカーパンツとシャンブレーシャツにモッズコートという直球なスタイルでも無骨過ぎず、まるでデザイナーブランドが手がけたエレガントなコートのように映えます。
モダンクラシックというべきスタイルとして仕上がるのもM-1965 PARKA BLACKの魅力だと思います。
気温の低い北海道では特にライナーの存在は必要不可欠ともいうべきアイテムではないでしょうか。
ライナーに使用した素材は、現行でアメリカ軍に支給されているミルスペック生地であり、ライナー用に開発されたものではなくシェルとして使われている素材です。
防水性、防風性を考慮して製作されている”リップストップ生地”はライナーとして使用するのも理にかなっているという考えからARCHオリジナルのライナーとして誕生しました。
当時のファブリックだと、どのサイズ感でもある程度装着できるように考えられていますが、ARCHオリジナルのライナーはSサイズのM-1965 PARKAにはSサイズのライナーが完璧に合うように製作されています。
ライナーを脱着することで殆どのシーズンにお使いいただけます。
5 Pocket PantsにB.D ShirtsそこにM-1965 PARKAというアメリカンな合わせながらも、M-1965 PARKAのブラックというカラーにより、コンチネンタルな雰囲気でも着用できます。
無骨なアイテムながらも上品さを感じる1着。
Archにお越し頂いているお客様に是非一度着てい頂きたいです。
Arch STELLAR PLACE 柳田