『僕たちはファッションの力で世界を変える』by THE INOUE BROTERS…
世界が大きく変わる瞬間なんて、ほんとうはそんなに多くない。
でも、その一枚の服を選ぶとき、それが小さくても確かな変化なんだと、、、
季節が深まるにつれて、まるで決まっているかのように手に取ってしまう一枚がある。
THE INOUE BROTERS…(ザ イノウエブラザーズ)のニットは、私にとってそんな存在だ。

THE INOUE BROTHERS… / CREW NECK SWEATER
Size / S , M , L
Color / BLACK , GREY , BROWN
Price / ¥53,900- inc tax
[ONLINE SHOPはこちら]※更新中
特別な派手さがあるわけじゃない。
ロゴが主張してくるわけでもない。
それは、このニットに触れるたび、井上兄弟が歩んできた長い時間を感じれるような感覚。
袖を通すと胸の奥がすっと落ち着く。
飾らず、誇張せず、何かを語りかけてくるような、、、


ふとArchの店頭に立っていて思うことがある。
“理由を言葉にしづらい良さ”
こういう服は、長く着られる服だということ。
イノウエブラザーズの服はまさにそういう服ではないかと思う。
大切な資源、誇りある技術を守り、その土地の空気をそのまま服に宿す。
アンデスで育つアルパカの毛を現地コミュニティ(遊牧民)と共に紡ぎ、フェアトレードで編み上げられる一着。
その背景を知ると、袖を通す前から胸の奥が少し温かくなる。
そして、この服を特別にしているのは“お二人が歩んできた物語”だけでは終わらない。
着心地は驚くほど気持ちよく、肩や袖に配されたレザーパッチは強度を高めると共に、見た目の美しさも感じる。
機能美として施されたイノウエブラザーズのニットのアイコン的存在。


袖、腰まわりのリブは柔らかく、動くたびに崩れるリブを気にさせない優しいテンション。
色が変わるだけで、表情も佇まいも少しずつ変わる。
ブラックは冬の空気に溶け込みながらも静かな強さを宿し、男らしさと落ち着きを感じさせる。

ブラウンはアルパカの温もりをそのまま受け取ったような柔らかい深みがあり、自然体の自分に戻れる色。

グレーはニュートラルで品があり、飾らずとも“綺麗に見える”という不思議な安心感がある。

どの色を選んでも、奇をてらわないのに普通では終わらない。
素材の密度と軽さの共存がアルパカ特有のしなやかさなのだ。
必要以上に主張しないミニマムなデザイン。
着たときの“落ち着き”のあるシルエット。
Archに来ていただいているお客様が手に取ったとき、「あ、これは長く着られるものだ」と言ってくれる理由はそこにある。
クラシックなスタイルに馴染む、でも少しいつもの気分を変えてくれる。
主張のないコーディネートこそ、このニットの本質が生きる。
イノウエブラザーズのことを知るたびに思う。
“服を作る人”というより、“関係を紡いでいく人達”なんだと。
自分が世界を大きく変える力なんて持っていない。
でも、自分が選ぶ一枚が、誰かの仕事や誇りに繋がっていることを知るだけで、見えてくる景色は変わる。
胸を張っておすすめできる一枚。
大げさではなく、服が人を支えてくれる瞬間って、確かにあるんだと、、、
イノウエブラザーズのニットを着る日、世界は少しだけ優しく見える。
そんな気がした。
ARCH 東京 中田

















